モーリス・ベジャール・バレエ団と東京バレエ団による【第九交響曲】
2014年3月12日 15:26
東京バレエ団創立50周年記念、モーリス・ベジャール・バレエ団(BBL)との共同制作【第九交響曲】のリハーサルがいよいよスタートし、3月10日に記者向け公開リハーサルとジル・ロマン芸術監督との懇親会が開かれた。
バレエ【第九交響曲】は、1964年にモーリス・ベジャール率いる20世紀バレエ団によって初演された作品で、80人余りのダンサーに加え、オーケストラ、ソロ歌手、合唱団といった総勢350人ものアーティストが作り上げる一大スペクタクルだ。本来、ピットの中に収まっているオーケストラが舞台奥に合唱団とともに配置され、その前でダンサー達が躍動感あふれる踊りを繰り広げる。
バレエ【第九交響曲】は、タイトル通りベートーヴェンの音楽とシラーの詩「歓喜に寄す」で成り立っており、テーマの根底に流れるのは“博愛”と“友愛”だ。ジル・ロマンは「本作が含み持つテーマは “人間は一つになって手を取り合ってこそ、進んでいくことができる”というもの。15ヶ国もの国籍が入り混じった約40人のダンサーから成るBBLと、東京バレエ団が本作を共同制作するというのは、今の時代において非常に重要なこと。」と語った。
また、本公演で、もう一つ注目すべきは、巨匠ズービン・メータと、イスラエル・フィルによる演奏だ。実はメータは2011年3月11日、オペラ公演の為東京に滞在していた。ところが震災の為公演が中止になり「必ず、すぐに戻る!」と約束し、帰国した。その後、約束通り翌4月にチャリティ演奏会に出演し、日本中に大きな感動と勇気を与えてくれたのだ。ロマンとメータは、昨年日本で開催された【奇跡の響演】で既に共演しており、メータの作品に対する深い理解と、BBLへの敬意を感じたと語った。そして「作品へ奉仕するという姿勢は、私も彼も同じ。共に作り上げていきたい。」と意欲を見せた。
本公演は、東京公演後、上海、北京さらにはヨーロッパでのツアーが計画されている。
◎公演情報 東京バレエ団/モーリス・ベジャール・バレエ団共同制作 東京バレエ団創立50周年記念シリーズ第7弾 モーリス・ベジャール振付【第九交響曲】 日時:2014年11月8日(土)、11月9日(日)マチネ/ソワレ 計3回 会場:NHKホール 出演:東京バレエ団/モーリス・ベジャール・バレエ団 指揮:ズービン・メータ 演奏:イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 独唱:藤村実穂子(アルト)ほか 合唱:栗友会 More info: http://www.nbs.or.jp/
リハーサル photo(C) Shinji Hosono 懇親会 photo(C) Nobuhiko Hikiji