スギ花粉、今年は太平洋側が要注意 関東は3月後半がピーク
2014年3月12日 14:14
今年も「花粉」の季節がやってきた。アレルギーを持つ方にはつらい季節だ。ウェザーニューズ<4825>は6日、同日までに全国28都府県で「本格花粉シーズン」に突入したと発表した。九州や四国はすでにスギ花粉がピークで、近畿から関東にかけては3月中旬から下旬がピークの見込みだという。
同社では全国1000ヵ所に、花粉観測量に応じて目の色が変化する独自の花粉観測機『ポールンロボ』の設置を進め、花粉の観測をしている。4日には、関東南部(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の約3割にあたる55ヵ所(総数200ヵ所)の観測地点、大阪府の約7割にあたる30カ所(総数41カ所)の観測地点で、花粉症の症状が出始める花粉飛散量(30個)を超えた。
また、スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」に寄せられた花粉症の方の症状報告を見ても、関東南部に在住する956人中の約5割、大阪府内に在住する169人中の約6割が「ややつらい」、またはそれ以上の症状を感じ始めているという。本格花粉シーズンに突入していないエリアでも、6日までに全国12県で敏感な方で症状が出始める花粉シーズンに突入していることを確認した。
「花粉に敏感な人が花粉症の症状が出始める花粉飛散「花粉に敏感な方に花粉症の症状が出始める花粉飛散数10個」「平均的な花粉症の方に症状が出始める花粉飛散数30個」は、過去8年、協力者と共に蓄積した花粉飛散量と症状のデータを相関、分析した情報。また、花粉観測機「ポールンロボ」は、全国の花粉症の方の一般家庭や企業、病院などに設置している同社独自の観測機で、人の呼吸と同じ量を吸引し、観測しているため、実際に人間が空気中で吸い込む花粉量を計測することができる。
今年は1月末は記録的な暖かさとなったが、2月になると再び寒気が強まり、さらに、低気圧や前線の影響で太平洋側でも大雪となるなど、平年より寒い日が続いた。特に関東地方や静岡県・山梨県では飛散開始直後から寒さが続いていたため、飛散量が少ない日が続いていた。しかし、2月末になると西から高気圧に覆われて晴れ、東~西日本の広いエリアで春の気配を感じさせる暖かさとなった。このため、スギ花粉が飛びやすい状況となり、大阪府を始め、西日本では広いエリアで飛散開始、本格飛散開始となった。
4日は、気温が上がって飛散量が増え、関東地方の1都6県・山梨県・大阪府・滋賀県において、花粉観測機「ポールンロボ」によって観測している花粉飛散量が、花粉症の症状が出始める量(30個)を超えた。2月中旬の寒さの影響で、関東地方の本格飛散開始は昨年より12日前後、平年より10日~2週間前後遅くなった。
今後、来週中頃にかけて西高東低の冬型の気圧配置が続き、寒気の影響を受けるため、全国的に寒さが続く見通し。太平洋側では晴れる日が多くなり、特に風が強い日は花粉の飛散量増加に注意が必要だという。また、九州や四国では、スギ花粉のピークを迎えており、3月中旬にかけて晴れる日は大量飛散となる恐れがある。近畿から関東地方のスギ花粉の飛散ピークは3月中旬から下旬となる予想だとしている。
また、今後も冬型の気圧配置となるため、東北地方の日本海側では雪が降る日が多く、太平洋側でも寒さが続く。このため、スギ花粉の飛散シーズン開始は3月中旬になる見通し。3月中は寒い日が多くなるが、4月に近づくに連れて徐々に気温が上昇し、4月は春らしい陽気の日も多くなる予想。スギ花粉は4月上旬から中旬に飛散のピークを迎える見通しだ。
ウェザーニューズでは、全国的に平年並みか平年より多く飛散する所が多いため、まだ症状が出ていない方も早めの対策をとることが必要だとしている。いままで症状のない人でも突然アレルギーになることもあるという。要注意だ。(編集担当:慶尾六郎)