2014年の花粉症対策最前線

2014年3月8日 22:51

 花粉症シーズンの到来とともに、市場では様々な商品が出回り始めている。

 近年ではマスクだけでなく、花粉を寄せ付けない対策商品も数多く出回っている。例えば、殺虫剤などでお馴染みのフマキラー株式会社<4998>から発売されている「アレルシャット 花粉 イオンでブロック 160回分」は、顔にスプレーするだけで顔全体をプラスの静電界でコートして、花粉をブロックしてくれる優れものだ。メイクの上からでも使える上、髪にもスプレーできるので、女性を中心に人気が広がっているようだ。

 また、中京医薬品<4558>が発売している「クイックシールド エアーマスク ホルダー付」も面白い商品だ。カード上の薬剤をネームホルダーのように首から下げるネックホルダータイプの製品で、「見えないマスク」のキャッチフレーズ通り、薬剤が空気に反応し、二酸化塩素(ClO2)の酸化力で、花粉だけでなく空気中に浮遊するウイルスや菌、嫌な臭いを除菌・消臭する。会社でネームホルダーを使用している人なら、その中に入れておけば、接客中でも気にせずに花粉対策ができるというわけだ。

 とはいえ、それだけでは不十分という人も多いだろう。どれだけ防ごうとしても防ぎきれないのが花粉。そこで注目されているのが花粉症の症状を身体の中から抑えてくれる漢方薬の存在だ。漢方薬の中でも、抗アレルギー作用等により、花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎の鼻水・鼻づまり等の鼻炎症状に効果を発揮するとされているのは「小青竜湯」だが、この漢方薬に関して、2013年9月に行われた日本生薬学会で、名古屋市立大学とロート製薬株式会社<4527>が大変興味深い研究結果を発表している。

 同研究では、小青竜湯を構成する生薬の一つ、芍薬の中に抗アレルギー作用発現に大きく関与する成分を発見し、その成分をMudanpioside Eと同定した。また、この成分が小青竜湯のアレルギー疾患に対する薬効を抑制していることも明らかになった。

 漢方薬は原料生薬の組成や量が定められているが、Mudanpioside E含量の少ない芍薬を使用したり、エキスの抽出方法等を工夫することで、小青竜湯の抗アレルギー活性を増大できる可能性が示唆されたという。漢方は眠気をさそう成分が配合されていないのも利点だ。効果と副作用の少なさという面でも、漢方をうまく使うのも良い花粉症対策だろう。

 花粉症は本人が辛いだけでなく、仕事の作業効率にも大きな影響を及ぼす。国民の16パーセント以上、2000万人以上が罹患しているといわれる花粉症だけに、その経済的損失も計り知れない。日本気象協会によると、花粉の飛散数が多かった2013年と比較して、日本全体では30%~90%と低い予測がなされている一方、北海道と近畿から九州地方にかけては例年並みかやや多いという予測もなされており、油断はできない。身体の中と外から花粉をブロックして、早い時期からの自衛を心掛けたいものだ。(編集担当:石井絢子)

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