【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】認知症初期の自己診断

2014年3月8日 18:34

  今月から私自身が将来最も恐れている「認知症」のお話をさせていただきます。65歳以上の方が全人口20%を越える「超高齢化社会」に突入した我が国では、認知症の患者さんは10%(10人に1人)で234万~293万人と推定されています。

  熊本大学精神科の認知症外来では、認知症疑いで来院された275人の患者さんの診察を行いました。他院でアルツハイマー型認知症と診断された人は26名でしたが、この専門外来では63名にも達しました。私の外来でも「物忘れがだんだんひどくなってきた」と、ご家族が心配され、しぶしぶ一緒に来られた患者さんが来院されます。初期の患者さんは、礼節が保たれており身なりも整っており老化に伴う正常な範囲の症状なのか、認知症の専門医に相談するのか悩むことがしばしばあります。

  「認知症」は、『一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす状態』と定義されます。

  初期認知症で最も特徴的な症状は、「最近のできごとを覚えていない、自分がしたことを覚えていない」の記憶障害です。さらに、日時や曜日がわからなくなる時間の正しい状況の認識困難や、物盗られ妄想も特徴的です。

  患者さんの診察では、日常生活に置き換えて問いかけると診断に近づけます。例えば、「ゴミ出しの曜日を間違えますか」、「眼鏡をどこに置いたか捜すことはないですか」、など日常生活に即した質問をします。曜日や置いた場所を「ああそうだった!」と本人が納得するなら、年齢相応の良性健忘と考えます。患者さん自身が全く記憶がないようなら、「認知症初期」の可能性が大です。

  まず自分自身で最近の物忘れを振り返り、自己診断してきてください。(自衛隊中央病院・消化器内科部長)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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