ドライビングにおけるストレスを解消する新開発のルームミラー、日産から
2014年3月5日 22:44
自分のクルマに初めてリアワイパーが付いた時に、雨の日の後方視界がクリアになって、ドライビングのストレスが無くなった記憶がある。
日産自動車が新開発した「スマート・ルームミラー」にもそんな効果がありそうだ。これは、走行環境がつねに変化する状況で運転者にクリアな後方視界を提供する新開発の液晶モニターとルームミラーとを任意に切り替えることを可能にしたルームミラーだ。同社は、2014年3月4日開幕(一般公開3月6日から)のジュネーブモーターショーで、この「スマート・ルームミラー」を展示する。
今回開発した「スマート・ルームミラー」は、後方の交通状況を確認する高性能狭角カメラと、ルームミラーに内蔵した新開発の特殊形状液晶モニターで構成。後部ウィンドウに設置した高解像度カメラによる鮮明な画像を液晶モニターに映し出すことによって、広くクリアな後方視野をドライバーに提供。快適なドライビングを支援する。
ルームミラーに内蔵した液晶モニターには、後方や斜め後ろを走行する車両がピラーなどで遮られることなく鮮明に映し出され、ドライバーは周辺の交通状況の把握がし易くなります。通常のルームミラーでは、後席の乗員、高い荷物の積載などで、後方視界が遮られる場合がある。が、「スマート・ルームミラー」は、カメラが撮影した情報をルームミラーに内蔵した液晶モニターに映し出すため、容易に後方状況の確認をすることができるという。
さらに、「スマート・ルームミラー」は、降雨時や降雪時、また薄暮や夜間などでも、広範囲の後方映像を鮮明に映し出すことが可能。逆光や後続車のヘッドライトの光に対しても、カメラの制御と画像処理プログラムでクリアな後方視界が得られるという。
搭載するカメラは、新開発の130万画素の高性能狭角カメラだ。一般的な広角カメラでは、広い範囲を映し出すことができるものの距離感を掴むのが難しく、かつ画質が大きく悪化するという問題があった。しかしながら、今回の新開発カメラの採用により、高画質で正しい距離感をドライバーに提供することが可能となった。
ルームミラーに内蔵する液晶モニターのアスペクト比は、約4:1という特殊な形状とすることで、画像をルームミラーの一部に収めるのではなく、液晶モニターと通常のミラーを切り替えながら全面に映し出すことを可能とした。
日産は、「スマート・ルームミラー」を、今年のル・マン24時間耐久レースへ出場予定のZEOD RCやNISMOが開発するその他のレーシングカーにも採用して行く予定だという。
ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの宮谷正一社長は、「モータースポーツの大変厳しい走行環境において、良好な視界確保は重要なポイント。スマート・ルームミラーは、日産・NISMOのドライバーを強力にサポートしてくれることでしょう。後方視界はこのスマート・ルームミラーで確保し、車体は空力性能の向上に特化したデザインとするなど、新しいレーシングカーの可能性が広がる」と、その性能に期待している旨のコメントを発表した。
日産では、当面、日本で今春からディーラーオプションとして販売を開始し、来年からグローバル展開をする予定だ。(編集担当:吉田恒)