大正製薬HD、不動産セクター、共栄タンカーなど/本日の注目個別銘柄

2014年3月4日 16:44


<9983> ファーストリテ 35890 +410買い先行。前日に2月の月次動向を発表している。既存店売上高は前年同月比0.8%増、4ヶ月連続でのプラス成長となったが、前月の同15.0%からは伸びが鈍化する格好に。ただ、大雪の影響などもあったと見られ、ほぼ想定線といった捉えられ方がなされているもよう。上半期の既存店増収率も会社計画並みの着地となったようだ。粗利率の動向などは不透明であるが、目先的には積極的な買収などによる業容拡大策を評価の動きが優勢に。

不動産セクター業種別上昇率のトップ。特に目立った材料は観測されていないものの、足元で下げの目立っていたセクターであり、突っ込み警戒感からの買い戻しや押し目買いなどが流入していると見られる。一部では、鉄鋼セクターとのリバランスの動きなども観測されているもよう。また、メリルリンチ(ML)では、株価下落の大半はマクロ要因であり、大手不動産の株価は過去の不動産上昇相場でのNAV倍率の平均1.2倍に対して平均1倍まで低下しており、ダウンサイドリスクは後退と判断しているもよう。クレディ・スイス(CS)でも、賃料の上昇は継続していると評価しているようだ。

<4634> 洋インキHD 476 +17反発。今・来期の業績観測報道が伝わっており、買い材料視される展開になっている。今期営業利益は従来予想通り前期比14%増の200億円に、来期は同15%増の230億円前後になる見通しとされている。スマホ材料が中国などで伸び、連続最高益更新の見通しと。今・来期ともに市場コンセンサスを上回る水準であり、評価が高まる状況になっている。

<4581> 大正製薬HD 8000 +350買い優勢。クレディ・スイス(CS)では投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価も6900円から9700円に引き上げている。今期からの業績は反転して来期も増収増益が確保できる見込みであること、一時の割高感が払拭されていること、過小評価や低稼働なブランド力を今後向上させていくと期待できることなどを格上げの背景に。これまで買い推奨の格付けが少なかった銘柄でもあり、ポジティブなインパクトが強まる状況のようだ。

<9130> 共栄タンカー 227 +2出来高伴い続伸。野村では、ウクライナ情勢の緊迫化はタンカー市況の上昇につながりやすいと指摘している。欧米各国がロシアへの経済制裁に踏み切った場合、石油、天然ガスなどは他国からの調達に切り替える可能性があり、海上輸送にはプラスに働くとみている。タンカーの保有比率の高い中小型株として同社を挙げているもよう。

<5940> 不二サッシ 219 +50ストップ高。グループ会社の不二ライトメタルが、難燃性マグネシウム合金を利用した燃料電池の共同研究に着手したと伝わっている。塑性加工の適用性評価などの製造技術開発を手掛けていくようだ。藤倉ゴム<5121>や古河電池<6937>がマグネシウム電池関連として人気化した経緯もあり、将来的な市場拡大への期待感は先行しやすい状況とみられる。

<6731> ピクセラ 148 +13後場から急伸の展開に。「iPhone5」などで手軽に高画質の地上デジタル放送が楽しめるテレビチューナー「PIX—DT350—PL1」を3月末に発売すると伝わっている。本体を携帯端末の充電口に差し込むと自動でアプリを起動し、一押しすればテレビ放送がみられるもよう。短期的に一方向に株価が動きやすい銘柄であり、短期資金の値幅取りの手掛かり材料とされる格好に。

<6486> イーグル工業 1668 +121大幅続伸。東海東京では投資判断を新規に「1」、長期での目標株価を2680円としている。今期は過去最高益を更新する見通しであるほか、来期以降も業容拡大が続くと予想しているもようであり、現在のPER水準には割安感が強いとの評価。カーエアコン向け拡大のほか、船舶や航空機エンジン向け、プラント補修部品などの需要増加から、来期、再来期も2ケタの営業増益を予想している。

<2593> 伊藤園 2161 -118下げ目立つ。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は153億円で前年同期比1.4%減益となっている。先の観測報道では160億円弱になったと伝わっており、想定線と捉えられるものの、あらためて上半期増益からの減益転換をマイナス視する動きになっている。コンセンサス切り下げの動きが表面化しているとみられるほか、消費増税後の対応策などにも不透明感と。

<7203> トヨタ 5811 +38しっかり。円相場の落ち着きなどがポジティブに捉えられる格好に。昨日には2月の米国自動車販売動向が発表されている。季節調整後の販売台数は1534万台、ほぼ市場コンセンサス通りの着地となっている。寒波の影響が出たものの、後半にかけて販売モメンタムが回復したようだ。同社に関しては前年同月比4.3%減、コンセンサスの2.5%減を下回ったものの、生産や輸送の混乱から月末にかけては回復に転じているようだ。

<7915> 日本写真印刷 1483 -4下げ渋る。岡三では投資判断を「中立」から「強気」に格上げ、目標株価は1800円としている。今期営業利益は下方修正ながら、経常利益を上方修正していること、来期は営業利益ベースでも大幅増益が予想されることなどを背景としている。為替差益の発生を背景に、今期経常利益は会社計画25億円に対して46億円を予想している。来期は本業ベースの営業利益で今期予想比約5倍の52億円を予想。《FA》

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