違法ダウンロードユーザーを訴える大規模な裁判は非現実的
2014年2月28日 12:00
あるAnonymous Coward 曰く、 以前、Voltage Picturesという映画会社が、P2Pファイル共有を使って映画を違法ダウンロードした人たち5000人を訴えようとする出来事があった(GIZMODO)。同社が「1500ドルを支払った者に対しては訴えを取り消す」としたことも大きく話題になり、「著作権トロール(著作権ゴロ)企業だ」などと非難される事態にもなったのだが、このVoltage Picturesが、今度はISP業務を行っているカナダのTekSavvy社に対し、映画を違法ダウンロードしたユーザー約2000名の個人情報を公開するよう訴訟を起こしたことが話題になっている(slashdot)。
この問題は、著作権者の権利とプライバシー保護の権利の微妙なバランスが問われる問題となり、カナダのメディアは著作権を使った「トローリング」の問題、名前の開示といった問題について焦点を当て大きく取り上げているようだ(Michael Geistブログ)。
Voltage Picturesは今回の判決で公開された情報を使い、ユーザーに対して追訴を行うことを検討しているが、Michael Geist氏のブログでは個人的な目的で映画を違法ダウンロードした人を訴えた場合、訴訟に関連する費用がどのくらい必要なのかといった点が見積もられている。それによると、裁判を起こしたとしても経済的には無駄ということが分かるそうだ。著作権侵害が私的目的であったかどうかを原告側で証明する必要があり、また金銭的なコスト以外のコストも考えると、訴訟によって得られる金額ではペイできないという。
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