異常気象予測に向けた「スポッター」、日本でも導入へ

2014年2月27日 13:00

Hamo73 曰く、 米国ではボランティアが気象情報を観測して報告する「スポッター」という制度が導入されている。たとえば1日の最高/最低気温や降水量などを観測して国立気象局(NWS)に報告するCooperative Observer Programは1890年に開始され、現在は11,000人以上が参加している。また1971年からは竜巻を観測するSKYWARNも組織され、こちらには290,000人以上が登録している。彼らの多くは警察官、消防士、公共機関の危機管理責任者などだが、運送業者などの民間企業や、病院、学校、教会など他の人を守る職務のある人々の参加も奨励されており、また通信手段に乏しい僻地の情報を得るため、アマチュア無線愛好家も多く参加している。近年では携帯電話やインターネットによる情報収集・報告も行われている。

 この「スポッター」について、政府が日本でも導入しようと制度化を進めているそうだ。局地的な異常気象情報を収集することで、予報精度の向上や迅速な避難対策につなげることを狙うという(読売新聞)。

 現在の天気予報は、気象庁などが設置した観測点からのデータを元にスーパーコンピュータでシミュレートする数値予報により行われているが、近年ではゲリラ豪雨や竜巻など、観測網では捉えきれない局地的な気象災害が問題となっている。また地形や気温のわずかな違いで雨になるか雪になるかが変わるなど、予報の難しさも指摘されている。

 スポッターは気象に関する一定の知識を備え、異常な雲の発生や豪雨の降り始め時刻などを無償で地方気象台に通報する。当初は警察官や消防士などから募集し、民間にも広げていくことを想定している。

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