村上春樹著「多崎つくる…」英語版、今夏発売 ファンから「英語版だけ遅すぎる」の声

2014年2月25日 18:45

 村上春樹氏の近著「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(英語名: “Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage”)の英語版が、今年8月に発売される。日本では昨年4月に発売されたが、発売直後の1週間で100万部が売れた。すでに、ドイツ語、スペイン語、オランダ語には翻訳されており、ベストセラーとなっている。海外にも村上氏のファンは数多くいるが、今回の英語版発売について、各メディアはどのように報道しているのだろうか?

【一人の人間の旅に焦点】

 サンフランシスコの日刊紙SFGateはまた、多崎が、人生における新鮮なスタートを切るため、名古屋にある故郷の町や、フィンランドにまで旅をする、と紹介している。

 ガーディアン紙によれば、 村上氏の作品をイギリスで出版するHarvill Secker社は、「1Q84は今回の新作に比べて、叙事体としての特徴がずっと強く表れていた作品であったが、新作では1人の人間の旅にしっかりと焦点が当てられており、より精巧である。」と述べており、同社のLiz Foley氏は、「新作は多くの新しい村上ファンをインスパイアするだろう」とコメントしている。

【マーケティング戦略の成功を指摘する】

 またジャパン・タイムズは、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」がベストセラーとなったことについて、「本についての情報を秘密にしておいたという、マーケティング戦略がある程度功を奏した。本に関する情報を明らかにしなかったことによって、村上氏の前作から3年後に、潜在的な読み手の間で、新作に対する非常に大きな期待が生まれたのである」と報じていることもSFGateは紹介している。

【海外の人々の反応】

 ガーディアン紙に寄せられた、海外からのコメントをいくつか紹介しよう。多くのコメントからは、英語版の発売を心待ちにしている様子がうかがえる。

「村上春樹大好き! 待てないよ! じゃあスペイン語で読むべきかな?」

「日本語で読んだらどう? 日本語が原文なんだから、スペイン語や英語で読むよりずっと面白いよ。三島とか、谷崎、川端の作品を日本語で読むよりも、村上春樹の作品を日本語で読むのははるかに簡単だよ」

「なんで英語版が他言語の翻訳より時間がかかっているんだろう? オランダ語やドイツ語では読めるのに、英語版の発売まで6ヶ月も待たないといけないなんて」

「発売が楽しみだ。村上春樹の作品はいつも楽しんでいるよ。なんて風変わりですごい想像力を持っているんだろう」

「お気に入りの作品は、海辺のカフカ。近々もう1回読もうと思っているんだ」

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