アンガラロケットのモックアップ、プレセツク宇宙基地に立つ

2014年2月20日 20:00

  今年の後半に打ち上げが予定されているロシアの新型ロケット、アンガラの実物大モックアップ(模型)が17日、試験のため、プレセツク宇宙基地の発射台に立てられた。

  この試験は、発射台やその周辺の設備と、ロケットとが問題なく結合できるかを試すために行われた。

  アンガラは現在活躍中のプロトンロケットの後継機となるべく開発中のロケットで、モジュール式であることを最大の特長としている。アンガラの第1段はユニバーサル・ロケット・モジュール(URM)と呼ばれ、これを束ねることにより、比較的簡単に打ち上げ能力を高めたロケットを造ることができるという仕組みだ。またそれに合わせて第2段を換装したり、第3段を追加で装備することで、様々な大きさ、質量の人工衛星に対応することができる。言い換えれば、アンガラと名の付くロケットは、小型ロケットであり、また中型ロケットでもあり、あるいは大型ロケットでもあり、そして超大型ロケットにもなれるというわけだ。

  またもう一つの特長として完全ロシア製であることも挙げられる。現在フルニチェフ社が製造しているプロトンロケットは、一部の部品をウクライナから輸入している。プロトンが開発された当時は、その部品を造っていたところもソビエト連邦内であったため何の問題も無かったが、ソ連崩壊後の現在、独立したウクライナ共和国の企業になってしまったためだ。この状況はロシアとウクライナの関係という問題も含めて、あまり好ましいとは言えず、ロシアはかねてから完全にロシアの中で製造ができるロケットを欲し続けていたという背景がある。

  なおアンガラは、アンガラとしては打ち上げられたことはまだないが、URM自体は韓国との共同で開発された羅老ロケットの第1段としてエンジン共々使用されており、すでに3度、打ち上げられている。

  アンガラは現時点で、今年の後半に初打ち上げが予定されている。また、この初打ち上げで使われる機体は特別にアンガラ1.2PPと呼ばれており、PPとは「初打ち上げ」を意味するпервый пускの頭文字から取られている。

 ■На космодроме Плесецк продолжаются комплексные испытания космического ракетного комплекса «Ангара» : Министерство обороны Российской Федерации
http://structure.mil.ru/structure/forces/cosmic/news/more.htm?id=11903228@egNews

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