子育てをテーマにした住宅が人気

2014年2月15日 22:07

 消費増税を目前に控えて、各業界で駆け込み需要が慌しくなってきた。

 日本電機工業会の発表によると、2013年度の白物家電の出荷額は2422億円。7か月連続のプラスを記録し、年間を通して過去10年で最も高い出荷金額となっている。猛暑でエアコンなどが好調だったことに加え、住宅の着工戸数が伸びたことに後押しされた形で食洗機などの販売が伸びたこと、新居への買い替え需要などが促されたことなどが考えられる。これから4月に向けて、新生活のスタート時期なども重なり、本格的な買い替え需要のピークを迎えることが予測される。

 一方、住宅業界では、現行の税率5パーセントが適用されるのは2013年の9月着工分契約までとあって、他の業界よりも一足早く駆け込み需要のピークを終えている。

 すでに反動も出ており、大手ハウスメーカー各社の14年1月の、戸建住宅の受注速報を対前年比で見てみると、ダイワハウス<1925>ではマイナス7パーセント、積水ハウス<1928>ではマイナス25パーセント、パナホーム<1924>では11パーセントと、軒並み前年を大きく割れ込んだ。ところが、住宅市場は決して暗く落ち込んでいるわけではなく、年明け以降も住宅展示場が各地で新規オープンされるなど、積極的な動きも数多く見られている。

 例えば、注文住宅のアキュラホームが千葉県船橋市の総合住宅展示場「住まいるパーク習志野内」に14年12月12日にグランドオープンした、体感提案型モデルハウス「習志野展示場」などが面白い例だ。同社は以前より、家事や育児の負担を軽減したり、子どもが健やかに成長できる住宅づくりに取り組んでおり、キッズデザイン賞受賞の実績もある会社。今回オープンした習志野展示場でも、創エネなどの最新設備はもちろん、家族との団欒や子育てをテーマに、室内外でDIYができる「工房スペース」や印象的な「大黒柱」、床を30センチ掘り下げた「ピットリビング」など、家族がともに暮らす豊かな住空間を演出し、それを体験できるモデルハウスを展開している。

 とくに「子育て」は、住宅購入時の重要な動機やタイミングになる。積水ハウスでも「コドモイドコロ」と題して、発達に合わせた子供の居どころのある住まいを提案したり、住友林業では、子育て中のママの視点に立って家事動線を重視した家「mamato(ママト)」を展開して好評を得ている。

 「家は一生に一度の買い物」といわれるように、住宅は人生最大の買い物の一つだ。高額な商品だけに、少しでも安く購入したいと願うのは当然だろう。しかし、価格よりも大切なことは、そこにその先、数十年に渡って「住み続ける」ということだ。2015年にはさらに消費税率が10パーセントに引き上げられる予定だが、数パーセントの税率アップに惑わされて後々後悔することだけは避けたいものだ。増税などの目先の話題に振り回されず、それぞれのライフスタイル暮らしとタイミングに合った最適な家の物件を見つけるためには、常に情報のアンテナを張っておいた方が賢明だろう。(編集担当:石井絢子)

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