五輪契機に社会が良くなると期待 運動や語学学習などで影響も

2014年2月15日 12:51

 2020年の東京五輪に向けて、国民の間で社会が良い方向に変化する期待が高まっている。三菱総合研究所の調査では半数以上の人が五輪を契機に社会が良くなると回答しており、運動や語学学習の開始など個人行動の面で変化の兆しも見えている。

 オリンピックやパラリンピックにはスポーツ祭典としての意味合いに加えて、開催地に有形無形の様々な影響、効果をもたらすことが期待されている。そこで三菱総合研究所では国民が来るべき東京五輪にどのような持続的効果(レガシー)を期待しているか、今後大会までの期間にどのように変化し、個人の行動や意識にどのような変化をもたらすか確認するために、定期的な調査を実施することとした。

 第1回目の調査は2013年12月に、全国3500人を対象に実施された。

 その結果、2020年東京五輪に対する期待では、五輪を契機に社会が良くなるかという設問に対して「大いにそう思う」「そう思う」をあわせると半数以上の人が社会が良くなることに期待を持っていた。特に東京でこの傾向が強く「大いにそう思う」人の割合は東京が突出して多かった。

 どのような良い社会変化が期待されるかについては、「観光・地域活性化」が最も多く、次いで「国際交流・平和」「健康増進」「レジリエンス」「環境先進」「復興加速」と続いていた。年齢別や地域別でみると、地方および被災地では健康や復興、若い世代では観光に対する期待が高い傾向があった。

 招致決定による影響については、「スポーツ・運動」の分野で影響が大きく、「新たに始めたい」「従来から活動しているがさらに増やしたい」とする回答が目立った。スポーツ・運動のほかに影響が大きかったのは「外国語の勉強」で、五輪を契機に新たに始めたり、さらに勉強を増やしたいとする回答が多かった。

 「スポーツ・運動」に関しては特に若い世代で影響が大きいと感じる人が多く、20歳代の約22%に行動および気持ちの変化が見られていた。

 先の都知事選の焦点の1つともなった東京五輪。約半世紀ぶりの開催となる2020年の大会が、国民の期待通り国力を活性化させる、大きなきっかけにつながることを期待したい。(編集担当:横井楓)

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