ケネディ駐日米大使、沖縄訪問 仲井真知事と会談 米紙の見方は?

2014年2月13日 11:45

 沖縄県を訪問中のキャロライン・ケネディ駐日米国大使は12日午前、糸満市の県平和祈念公園を訪ねた。沖縄戦で亡くなった人たちの名を刻んだ「平和の礎(いしじ)」などに足を運び、平和への誓いを新たにした。その後、県庁で仲井真弘多知事との会談に臨んだ。

【普天間基地移設問題には触れず】

 1995年、12歳の女の子が3人の米軍兵士にレイプされた事件は日本全国に怒りと衝撃を与えた。翌年、米海兵隊普天間航空基地を名護市の辺野古にある埋め立て地に移設し、沖縄の負担を軽減しようという計画が持ち上がった。BBCは、安倍晋三首相が2021年までの毎年、沖縄に経済振興策を約束した結果、沖縄知事は基地移設に同意したと伝えている。

 星条旗新聞は、今回のケネディ大使の沖縄訪問は、12月に普天間基地移設を承認した仲井真知事に対するアメリカの支持の表明であると報じている。

 仲井真知事との会談中、ケネディ大使は普天間基地には直接言及しなかった。同大使は両国が協力して「さらに前進するよう」希望すると言明した。仲井真知事は、「(米軍関係の)事件・事故や環境などの抜本的な解決と基地負担の軽減に力を貸してほしい」と述べた。

 ケネディ大使は、新たな進展として、1950年代に締結された日米環境協定の改正の交渉が開始された事に言及。日米地位協定は、アメリカ軍が軍事基地を明け渡す際に汚染除去をすることを定めていない。仲井真知事が普天間基地移設を考慮していた際にも、日米両政府は環境協定を再検討すると約束した。この変更により、軍事基地が地元に返還される前に、沖縄県は基地用地を査定できる。

 

【沖縄に基地はいらない】

 会談の間、県庁の近くでは数百人が、ケネディ大使の沖縄訪問に反対する内容のスローガンを掲げ抗議デモを行った。アメリカは、沖縄に2万6千の軍隊を配置している。また、日本に配備されている米軍施設の4分の3が沖縄に集中している。しかし、多くの住民の願いは、米軍基地を沖縄から全てなくすことだ。基地は、騒音や事故、米軍兵士による犯罪行為と結びついている。一月に再選された名護市の稲峰進市長は、普天間基地移設に反対すると公約して当選を果たしている。

 先月、ケネディ大使はツイッターで、日本のイルカ漁が「非人道的」であるとして懸念を表明した、とブルームバーグは伝えている。基地反対派は、新基地の移設場所である辺野古湾は、絶滅危惧種の海洋哺乳動物であるジュゴンの生息地であると指摘。「ジュゴンの餌場を破壊して彼らの生息を脅かすのは非人道的ではないですか?」と主張している。

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