クボタ、旭硝子、いすゞ自動車など/本日の注目個別銘柄

2014年2月10日 17:20


<7202> いすゞ自動車 638 +29買い優勢。先週末に第3四半期の決算を発表、10-12月期営業利益は426億円で市場コンセンサス水準での着地となった。通期予想も1800億円を据え置いており、決算数値にはインパクトが乏しい状況であった。ただ、説明会などを通して、新興国リスクに伴う業績下振れ懸念は後退する格好となったほか、合理化効果による来期業績への安心感も強まる状況のもよう。

<6326> クボタ 1484 -56売り先行。先週末に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は1447億円で前年同期比81%増益、通期予想は1900億円から1960億円に上方修正している。また、年間配当金は前期の17円から28円まで引き上げるとも発表。ただ、業績の実績値はほぼ想定通りの水準で、通期予想にもコンセンサス比でサプライズは限定的な印象。短期的な出尽くし感が先行で、来期の増益率鈍化なども織り込みに行く格好へ。

<7915> 日本写真印刷 1562 +102大幅高。先週末に発表の決算がポジティブなインパクトに。10-12月期営業利益は57億円、市場コンセンサスは35億円程度であったとみられ、大幅に上振れする格好へ。主力のタッチパネルの生産性向上などが寄与した。タッチパネルの稼働率低下は想定されるものの、据置の通期予想10億円には上振れの確度が高まったとの見方にも。

<5201> 旭硝子 544 -39売り優勢。先週末に前12月期の決算を発表、今期の営業減益見通しが嫌気される格好に。実績営業利益は799億円、IFRS基準に変更しているが、日本基準では会社計画や市場コンセンサス通りの水準に。一方、今期は750億円で前期比6.1%減益見通し。市場コンセンサスは50億円程度下回る水準となっている。液晶ガラスの価格下落の影響などをあらためて警戒視する動きにも。

<7740> タムロン 2219 -296下落率2位。先週末に発表した決算内容が嫌気されている。前12月期営業利益は52.3億円で前期比4.9%減益、会社計画56億円を下回る格好となった。また、今期は同10.8%増益となる58億円としているが、コンセンサスは15億円ほど下回る状況のようだ。収益成長の伸び悩み局面継続をマイナス視する動きが強まる。

<2432> DeNA 2130 +298大幅高。週末のアップル無料アプリランキングでは、「進撃の巨人」と「パズ億」が2位と3位を占めている。とりわけ、「進撃の巨人」は2月7日に配信を開始したばかりであり、新タイトルの人気化を評価する流れになっている。本日はゲーム関連が全般的に強い動きとなっていることも支援に。

<6941> 山一電機 528 +10朝方は急伸。先週末に発表した決算内容が手掛かり材料視される。累計経常利益は11億円で前年同期比19.4億円の収益改善、通期予想は7.1億円から10.5億円に上方修正している。構造改革効果の示現、為替差益の発生などが業績上振れの背景に。また、未定としていた年間配当金は5円に復配と発表、6期ぶりの配当実施となり、ポジティブなインパクトにつながる。

<4714> リソー教育 451 -100後場は売り気配スタート。受講生が退会した際に前払いの受講料を返すことになっていたのに返還せず、返還を求められなかったとして売り上げに計上していたと、一部で報じられている。水増しはグループ全体で数十億円に上る疑いがあるもよう。昨年12月に不適切会計の疑いが伝えられ急落した経緯があるが、あらためて警戒感が再燃する格好にもなっているようだ。

<7873> アーク 311 +44上昇率2位。先週末に第3四半期決算発表、通期最終利益は51.5億円から73億円に上方修正しており、買い手掛かり材料になっている。貸倒引当金の戻入益、投資有価証券売却益などが業績上振れの背景に。バランスシートの改善期待なども加わり、短期資金中心に関心を高める展開になっているもよう。

<3431> 宮地エンジニア 259 -21売り優勢。先週末に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は12.7億円、前年同期比2.2倍と大幅増益になっているが、上半期までの進捗の高さからポジティブな見方につながっていない。10-12月期営業利益は前年同期比32%減益、前四半期比66%減益となる格好に。日特建設<1929>、東洋建設<1890>、東急建設<1720>など、先週末に第3四半期決算を発表して売り優勢となっているインフラ関連株が目立つ。

<7733> オリンパス 3335 +225大幅続伸。先週末に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は499億円で前年同期比倍増、会社計画線とされているが、市場予想は上回ったとみられる。医療事業の収益性改善などが収益拡大の背景となっている。据置の通期予想725億円には未達懸念も残る状況だが、同業他社比較での映像事業の底堅さなどは評価対象となっているようだ。

<6361> 荏原 695 +40大幅続伸。先週末に発表した好決算が評価材料に。10-12月期営業利益は87億円で前年同期比50%増益、通期予想は上回る水準になった。通期予想は売上高のみ上方修正で営業利益は据置となっているが、5円から7.5円への増配などがポジティブに捉えられている。また、豊富な受注残を映して来期の好業績期待が高いことなども買い安心感につながっている。

<5706> 三井金属 260 -16下げ目立つ。先週末に第3四半期決算を発表、ネガティブ視される格好に。累計経常利益は182億円で前年同期比91.3%増益、通期予想は214億円から224億円に上方修正している。表面上は上方修正ながら、円安による在庫評価益の改善が19億円程度の上振れ要因となっており、実質的には、スマホ向け高機能電解銅箔の下振れなどで下方修正の格好に。また、カセロネス銅鉱山の2ヶ月程度の立ち上げ遅延なども伝わっているもよう。《FA》

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