最大の関心事は「進学費用」で年々増加 進路情報不足に悩む保護者も

2014年2月9日 20:29

 進学にあたり保護者が重要視する情報はトップが進学費用に関することで、入試制度の仕組みについても半数以上が重視していた。また、入試に関する最新情報が不足していたり、社会の行く末が予測できないなどの考えから、7割の保護者が子供への進路アドバイスを難しいと考えていた。全国高等学校PTA連合会とリクルートマーケティングパートナーズが行った調査で明らかになった。

 子供と進路について「話す」保護者は89%に上り、ほとんどの人が親子で進路について話している一方で、進路選択に関するアドバイスが「難しい」と感じる保護者が72%と、話題にはするもののアドバイスするまでは難しい現状が浮き彫りになっている。アドバイスが難しい理由は「社会がどのようになっていくか予測がつかない」が52.7%とトップ、次いで「入試制度をはじめ最新の進路情報を知らない」が46.4%、3位が「経済的な理由で選択肢を狭めざるを得ない」27.6%だった。

 進学にあたり保護者が重要と考える情報はトップが「進学費用」で53%、「現在の入試制度の仕組み」51.7%、「学部・学科の内容」43.8%、「将来の職業との関連」43.1%と続いている。トップの「進学費用」については前々回調査(09年)から2回連続増加した。

 これからの社会は好ましいかという設問では、保護者の61.1%、高校生の54.8%が「好ましくない」と回答。「好ましい」という回答は保護者26.4%、高校生41.9%に留まり、「好ましくない」との回答が「好ましい」を大きく上回っている。一方で「好ましい」との回答は前々回調査では保護者が8.9%、高校生が20.2%であったのと比べると、大幅に増加していることも分かる。

 グローバル化については保護者の39%、高校生の54%がグローバル社会で通用する人材になってほしい(なりたい)と考えている。保護者が考えるグローバル社会で通用する人材になるために必要な力のトップは「コミュニケーション力」69.1%、次いで「語学力」62.1%、「チャレンジ精神」35.6%だった。グローバル人材になるために自分の子供に不足してるものは「語学力」(もっている:13.3%)、「宗教や文化、歴史に対する教養」(同21.3%)、「ディベート力」(同22.4%)と続いた。

 高校生が考えるグローバル社会で通用する人材になるために必要な力は、「コミュニケーション力」76.3%「語学力」63.1%が1位、2位を占めたのは保護者と同じで、3位は「自己主張する力」29.3%だった。必要な能力のうち自分が持っていると答えた割合が低いのは、トップは保護者と同じ「語学力」(もっている:7.4%)で、「プレゼンテーション力」(12.7%)「論理的思考力」(16.4%)と続いた。

 調査から浮き彫りになったのは、進学を考える子供のいる保護者の「経済面」での困難さと「情報不足」だ。子供の教育費については根深い問題で一朝一夕に解決できることではない。しかし入試に関する最新の進路情報については、保護者を始めとする多くの関係者の“一工夫”によって、解決できる面もあるような気がするが、いかがだろうか。(編集担当:横井楓)

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