週刊ダイヤモンド今週号より~三菱地所×鹿島の億ションで欠陥、解約などで53億円の損失も

2014年2月3日 08:20


*08:20JST 週刊ダイヤモンド今週号より~三菱地所×鹿島の億ションで欠陥、解約などで53億円の損失も
三菱地所<8802>グループの三菱地所レジデンスと鹿島<1812>が東京都港区で手掛ける億ションに多数の欠陥が見つかり、購入者の契約解除までに問題が発展しています。

この完成間近の億ションは三菱地所レジデンスが開発し、3月20日に引き渡しが予定されている「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」。全86戸の最多価格帯は1億4000万円という超高級マンションで、同社が都心部の最高級ブランドと位置づけてスタートした「グランシリーズ」の記念すべき第1弾物件となるはずでした。

また、施工はゼネコン業界の盟主・鹿島と、大手デベロッパーとスーパーゼネコンがタッグを組んだ鳴り物入りの物件でした。今週号の週刊ダイヤモンドでは、ビッグネームが組んだ億ション物件で何が起こったのか、そのてん末をリポートしています。

欠陥工事が発覚したのは昨年12月で、内部告発を受けてからでした。主な欠陥が見つかったのは、スリーブと呼ばれる配管を通すための穴。このマンションの場合、全部で6000のスリーブが設計されていましたが、その1割に当たる600カ所でスリーブが開けられていなかったり、位置が間違っていたようです。

スリーブの施工忘れ自体はたまにあるようですが、全体の1割というのは異例。さらに、施工忘れが発覚したあともいいかげんな工事が施されており、一部では鉄筋が切れてしまった箇所もあったようです。

問題のスリーブは関電工<1942>が請け負っており、ずさん工事の責任は鹿島と関電工にあります。ただ、三菱地所にも非があり、自社で施工品質を検査して随時、購入者に情報開示する「チェックアイズ」機能に対する信頼低下は避けられません。

三菱地所によると、修理には少なくとも1年以上はかかるようで、違約金を払っていったん、すべての契約を合意解約する方針が決まりました。解約に当たり支払われる金額は売約済みだった83戸でおよそ23億円。仮に物件を取り壊すことになれば30億円程度のカネがかかるとみられています。《RS》

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