【緊急アンケート】どうなるトヨタ自動車株の行方

2014年2月2日 18:10

 前週のトヨタ自動車 <7203> 株価は、下値のフシと見られていた6000円を割り込み5886円まで下げた。昨年7月以降、6ヶ月に亘って続いている6000~6500円の大きいモミ合いを下放れて、一段安となるのか、それとも、なんとかもちこたえるのか。日本インタビュ新聞社執筆者に緊急アンケートした。

【Q1】日経平均、TOPIXが高値を更新した中で、トヨタ株は昨年5月高値(6760円)を抜くことができず、長期間モミ合っている理由は何ですか。

【Q2】今後、上に行きますか、下に行きますか。

【Q3】今後の株価目処と時期。

【本紙編集長・浅妻昭治氏】 業績期待が大きく、過去2回の上方修正も市場コンセンサス未達で織り込み済み。外国人投資家なども目いっぱい保有し新規の買いが見当たらない。NISAの買いが下支えるが、信用買残解消にサプライズ不足。 消費増税の駆け込み需要とその反動減で強弱感からモミ合いが続く。 6000~6500円

【株式評論家・木村隆氏】 足元は好調なのだが、先行きに不透明感が強い。好業績を牽引する米国市場は今期まで4期連続大幅増加しているが、これ以上伸びるだろうか。それに代わる新興市場の見通しも流動的。1年後の為替水準が見通し難、ということもある。 基本的には全体相場に連動する展開を想定、上に行くと見ている。ニューカマーの外国人投資家は必ずといってよいほど同社株を組入れる。 上に行く。日経平均を1万8000円と想定すれば、それに見合う水準は7300円程度が予想される。

【経済・証券アナリスト忠田公夫氏】 一作年7月の2800円割れ水準から6760円の高値まで、今期の利益変化率の大きさを先見したが、来期の増益率の低下が予想されるため。 上に行く。今期の営業利益が会社計画の2兆2000億円や08年3月期の加古最高の2兆2703億円を上回ると予想されるため。 今年7月前後に8000円

【株式評論家・海老原紀雄氏】 今は次世代自動車への移行期にあり株価もモミ合っている。信用買残の多いことも理由。 上に行く。第3四半期決算の好調が予想される。内部要因としては、減少している出来高が増加に転じることが上昇のキッカケとなるだろう。 7500円(時期未定)

【経済ジャーナリスト・小倉正男氏】 収益が好調なことは周知のことである。それだけに、信用買残も多くモミ合っているのではないか。 四半期決算などで収益推移が確認されれば上に行くだろう。円安基調も追い風。 8000円(時期未定)

【株式評論家・摩周湖】 2014年3月期業績予想は織込み済みで、今年4月の消費税の影響を見極めたいムードが強い。 下げるだろう。3月の年度末にかけて持ち合い解消売りが需給面の重しとなる。 3月末に5000円

【アナリスト水田雅展氏】 外国人投資家はすでに十分保有し買上がる必要がない。業績上方修正してもアナリスト平均予想かが高すぎるためサプライズがない。豊田章男のキャラが地味なこともある。 ドル高・円安の基本シナリオに戻れば上に行く。 今年後半に7000~7500円。

【株式評論家・中西文行氏】 日中関係の悪化から中国市場を失う恐れ。TPP交渉で日本車に不利な条件が米国から出される心配。賃上げで国内工場の競争力が弱まる。 モミ合い続く。消費増税前の駆け込み需要一巡、4月以降の反動減と物価上昇の影響も予想される。ただ、日経平均採用銘柄でETFを日銀が買い支える。 12月に7000円

【株式評論家・犬丸正寛氏】 超・高水準の信用買残が物語る通り期待が高すぎるためプロの機関投資家は上値買いに慎重。一方、低PERが下値を支えている。 上に行く。短期的には底打ちしモミ合いゾーンへ戻るだろう。7月発表予定の第1四半期決算で消費税の影響を見極め、政府の新成長戦略を好感し、全般相場と共に後半高と予想。 11~12月に8000円 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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