ベテラン女優キム・ジヨン、単発ドラマの価値を力説
2014年2月2日 09:05
女優キム・ジヨンの良識的な発言が話題となっている。
キム・ジヨンは、旧正月連休の最後の日(2月2日)を飾るKBS 2TVドラマスペシャル2014の第2弾『トルナル(1歳の誕生日)』のヒロイン、ジョンスク役を演じ、クランクアップを終えて放送を待っている。
デビュー20年を越えたベテラン女優が単発ドラマの製作環境を考慮すれば、今回の出演は容易な選択ではなかったはず。だが厳しい寒さが襲った今月13日、仁川(インチョン)の『トルナル』撮影現場で会ったキム・ジヨンは「本当に楽しい撮影」と、寒さを忘れさせるようなにこやかな笑顔を見せた。
「個人的に単発ドラマ、インディペンデント系映画、短編映画などがとても好き」と話し始めたキム・ジヨンは「役者はお金が作品選定の基準になってはいけない」という考えを力説した。
単発ドラマという枠があったからこそ100本を越える出演記録が可能となったという彼女。「単発ドラマは多様な素材と新しい試みで評価を受けている作品が多い。役者としては短い時間にエネルギーを注ぐという魅力的な試みができる」と単発ドラマの魅力を語った。
また「単発ドラマでは大勢の演出家たちと思いを共有できた。ある人物の人生をどうすれば最も個性的に表現できるか学ぶ場だった」と韓国人女優としての地位を確立できた秘訣を明らかにした。
特に「多様な素材と実験精神が特徴の単発ドラマにたくさん出演し、自らを啓発して役者として絶えず学ぶ姿勢を持つべき」と後輩たちに愛情あふれる助言を行った。彼女が女優として単発ドラマをどのように認識しているかが分かる。
近頃の韓国ドラマの状況には厳しい忠告も。「視聴率を意識しすぎるあまりドラマの終わりが見えず、監督、俳優、製作会社すべてが新しい試みを避ける。千編一律的で食傷ぎみのドラマから視聴者も背を向けがちだ。ドラマを作っている我々皆が反省すべき点」と指摘。
そして現在唯一残っている単発ドラマ枠のKBSドラマスペシャルの重要性を説き、『トルナル』への特別な期待を語った。キム・ジヨンは「視聴者から斬新な作品に対する評価を受け、作品を通じて交感できる役割をドラマスペシャルが果たすよう願う」というメッセージで最後を締めくくった。
単発ドラマ『トルナル』は、近現代史で最も波瀾万丈であった激変期に青年期を送った“386世代”の哀歓を描く作品。10年を越えた今でも伝説的な作品として広く知られている演劇『トルナル』が原作の今回のドラマには、キム・ジンをはじめコ・ヨンビン、ソ・ユジョンなどが出演する。
去年に単発ドラマ『Happy!ローズデイ』で韓国監督連合会が選ぶ“今月の監督賞”を受賞したキム・ヨンジョ監督が演出を担当。2月2日KBS 2TV夜11時55分より放送。(翻訳:中島礼子)