アップル、4四半期連続で減益に
2014年2月1日 19:02
27日、米アップルが第1・四半期(10~12月)の決算を発表。売上高は前年同期比で6%アップの576億ドルと過去最高の記録となったものの、最終(当期)利益は4四半期連続で前年割れという結果であった。2014年の1~3月期の業績予想も低水準にとどまっており、市場の予想を下回っている。
米アップルは、国内最大手の「中国移動」によるiPhoneの販売開始によって、韓国のサムスン電子からのシェア奪回を目指しているが、しかし今回の14年1~3月期の売上高見通しが市場予想を下回っていることから、「中国移動」によるiPhone販売開始に対して投資家が過度な期待を寄せ過ぎたのではないか、そして世界的にスマートフォンやタブレット端末の需要が伸び悩んでいるのではないかとの懸念が広がっている。
13年の9月に、米アップルはiPhoneの最新モデルである「iPhone 5s」とその廉価版である「iPhone 5c」を販売した。これにより第1・四半期の販売台数は前年同期比7%アップの約5100万台と過去最高の販売台数となったものの、予想の5500万台には至らなかった。
iPadなどのタブレット端末も14%アップの約2600万台と、過去最高の販売台数を達成したものの、しかしスマートフォン、タブレット端末共に、低価格帯のモデルの販売数が増加したことにより利益は下押しされ、全体の最終利益は130億7200万ドルと、前年の130億7800万ドルを下回る結果となった。
こうした減益決算が続いている要因として、製品にかつてのアップルらしい革新性が見られなくなったことが挙げられている。またそれ以外にも、華為技術(ファーウェイ)やレノボなどの中国のメーカーが低価格帯の商品を主力に勢力を伸ばしていることが原因として挙げられている。タブレット端末に関しても、米アマゾン・コムが低価格帯商品「キンドル・ファイア」を発売するなど、その競争はますます激化の様相を呈している。
中国では1000元(約1万7000円)程度の低価格帯のスマートフォンの購入率が高いため、廉価版のiPhone(約8万円)でもユーザーにとっては割高に感じられるという。米アップルのクックCEOは、「多く売れるものを作ることが目標ではなく、素晴らしい製品を作ることが目標」としているが、しかし今回の結果を受けて、そうした方針に変更を迫られる可能性もある。(編集担当:滝川幸平)