次世代のプログレス補給船、初打ち上げは2015年後半に
2014年1月31日 08:00
ノーボスチ・ロシア通信社は22日、現在のプログレスM-M補給船に代わる、次世代のプログレスMS補給船の初打ち上げが、2015年の後半に行われると報じた。これはプログレス補給船を開発、製造しているRKKエネルギヤ社のニコライ・ブリュハノフ副社長が発言したものだ。プログレスMSはこれまで、非公式ながら2015年10月に打ち上げられると報じられていたが、それが裏付けられたことになる。
同氏はまた、すでにプログレスMSの設計はロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)の承認を得ており、また必要な改良点の指示もすでに受けているとも語った。
プログレスMSは現在国際宇宙ステーションへの物資補給で活躍中のプログレスM-M補給船に代わる新しい補給船で、搭載能力などに大きな変化は無いが、電子機器などの装備が新しくなっている。この変更は、プログレス自身の進化というより、次世代の有人宇宙船ソユーズMSへの搭載を目指した試験という意味合いが強い。
具体的には、まず一昨年のプログレスM-15Mや昨年のプログレスM-21Mで試験された、新型の自動ランデブー・ドッキング・システムのクールスNAが正式採用される。これにより消費電力が抑えられ、また機械的な故障の発生確率が低くなる他、クールスAのようにウクライナから部品を購入する必要がなくなる。
またスペース・デブリや宇宙塵からの防護システムも改良され耐久性が高まり、ヘッドライトが発光ダイオード(LED)を使った物に換装される。さらにGPSやGLONASSといった衛星測位システムのデータを利用した航法システムも搭載される。
船の状態確認や地上からの操縦に使われる通信システムも改良され、音声や映像の質が高くなり、また中継衛星を使うことでロシアの地上局の可視範囲外からの通信も可能となる。この装置に使われる部品も、クールスNAと同じくウクライナの関与を無くし、完全にロシアで開発、生産される。
その他これまでに、太陽電池がより効率の良い物になり、スラスターもこれまでの1基から、より冗長性の高い4基の配置になるといったことが報じられている。
写真=NASA
■Россия в 2015 году запустит модернизированный грузовик "Прогресс-МС" | РИА Новости
http://ria.ru/space/20140122/990573100.html
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