スペースX社、ドラゴン宇宙船のパラシュート・システムの試験を実施
2014年1月25日 19:15
米航空宇宙局(NASA)は17日、スペースX社が開発中のドラゴン宇宙船の、パラシュート・システムの試験を実施したと発表した。
NASAによれば、試験は昨年12月の後半に行われたとされる。ドラゴン宇宙船の試験機はヘリコプターによって高度8,000ft(約2.4km)まで持ち上げられ、投下。2つのドローグ・パラシュートが放出され、宇宙船の速度を落とした後、3つのメイン・パラシュートが展開された。宇宙船は無事にカリフォルニア沖の太平洋上に着水し、回収された。
この試験は、ロケットの打ち上げ準備中や飛行時に何らかの問題が起きた際、宇宙飛行士の乗った宇宙船を安全に脱出させることができるかを確かめるために行われた。通常、有人のドラゴン宇宙船の着陸においては、パラシュートによる減速と共に、宇宙船の側面に装着されるスーパー・ドレイコーと呼ばれる液体燃料ロケットエンジンを使い、より安全で確実に着陸できるように設計されている。
NASAは現在、国際宇宙ステーション(ISS)への宇宙飛行士の輸送を民間企業に委託しようと考えており、スペースX社はそれに名乗りを上げている一社だ。しかし実際に人を乗せて飛ぶためには、今年だけでも15項目の目標をクリアする必要がある。
今回の試験の成功を経て、スペースX社では現在、打ち上げ中断システムの試験の準備が進められている。今年の後半には打ち上げ中断システムの、全体を通した試験が行われる見通しだという。
写真=NASA
■NASA Commercial Crew Partner SpaceX Tests Dragon Parachute System | NASA
http://www.nasa.gov/press/2014/january/nasa-commercial-crew-partner-spacex-tests-dragon-parachute-system/#.UuOBcrSAbGh
【関連記事】
・スペースXのドラゴン補給船運用2号機、無事帰還
・ドラゴン補給船運用2号機、帰還に向けた準備を開始
・トラブル発生のドラゴン補給船運用2号機、国際宇宙ステーションと結合
・ドラゴン補給船、打ち上げに成功するも問題発生
・ファルコン9ロケット/ドラゴン補給船運用2号機打ち上げ、国際宇宙ステーションへ