忍び寄る中国発“シャドバン・ショック”、68兆円の信託貸付が今年デフォルトも

2014年1月24日 09:37


*09:37JST 忍び寄る中国発“シャドバン・ショック”、68兆円の信託貸付が今年デフォルトも
中国の「シャドーバンキング(影の銀行)」問題が今年、正念場を迎えます。高い利回りで投資家の人気が高い「理財商品」では信託貸付を行うものがありますが、この信託貸付6600億ドル(約68兆2100億円)が今年に満期を迎えるためです。

信託貸付の期間は通常2年で、シャドーバンキング市場で最も大きなシェアを占めます。その他の短期商品などをあわせると、シャドーバンキングは2013年の新規貸出市場の3分の1以上に達することになります。

中国の信用市場はリーマンショック前の9兆ドルから23兆ドルまで増大しており、理財商品がデフォルト(債務不履行)となれば、パリバショックやリーマンショックの二の舞になりかねません。

中国メディアは23日、山西省政府が信託貸付を行うファンドの救済を計画していると報じました。この商品を販売した中国工商銀行が先週、支援策を講じない姿勢を明かしたことが背景にあります。

この融資残高は30億元(約513億円)で、今月末に返済期限を迎えます。融資先はすでに破産状態にある山西省の炭鉱会社。同社では2012年から資金繰りが悪化しましたが、背後には習近平政権が進める「クリーンエネルギー政策」があるとか。

ちなみに、これが信託貸付商品にされた2010年には、投資家に10%の利回りが約束されていました。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》

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