ヤフー、「パーソナルデータに関する検討会」での議論に対し異議を唱える

2014年1月23日 20:04

insiderman 曰く、 個人やそのプライバシーに関わる情報の保護を行うため、現在政府の政策会議内で「パーソナルデータに関する検討会」が行われている。検討会での議論内容は日経ITproの記事が詳しいが、たとえば企業が収集した個人に関するデータをどのように保護すればよいのか、活用する際にどのように匿名化処理を行えば良いのか、といったものだ。

 しかし、この記事内でも指摘されているとおり、同検討会の報告書では具体的な例、ユースケースなどはまとめられておらず、抽象的な主張が目立つ。さらに、法律で保護する対象とする情報の範囲についても明確には述べられていない。このような現状の下、ヤフーが同検討会が示した「パーソナルデータ(個人に関する情報)に関する制度の見直し方針」について、異議を述べる記者説明会を開いたそうだ(ITmedia)。

 ヤフー側は見直し案について「データの利活用を妨げかねない内容が含まれている」と述べ、下記を2点を問題点として挙げている。

 設置される第三者機関が果たして正常に機能するのか 
 保護されるデータの範囲が「プライバシー保護という基本理念を踏まえて判断する」という曖昧な概念で定義されている また、ヤフー側は以前問題となった、JR東日本がSuicaの利用データを「匿名化」したうえで日立製作所に提供したことで問題となった件について、「個人が特定できないデータだったにも関わらず、ユーザーが気持ち悪さを訴えた」とし、このようなことが今後も発生するのではないかという危機感を持っているという。

 検討会での方向は「一定の条件を満たさない限りデータが流れない」というものだが、これでは企業が収集したデータの活用が進まない、米国のように自主規制に任せるべき、というのがヤフーの主張のようだ。

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