日本電産、NEC、富士フイルムなど/本日の注目個別銘柄
2014年1月23日 16:08
<6594> 日本電産 11715 +620買い先行。前日に決算を発表、10-12月期営業利益は225億円となり、ほぼ市場想定線での着地となった。また、通期予想は従来の800億円から850億円に、今期3度目の上方修正を行っており、上方修正数値も市場予想線上となっている。決算数値にサプライズはないものの、来期以降の成長期待の高まりなど、アナリストの評価は一段と高まる状況になっているもよう。また、発行済み株式数の1.45%に当たる200万株を上限とした自社株買いの実施発表、年間配当金の90円から100円への増配など、株主還元策に対する評価も高まる格好に。
<6701> NEC 286 +14しっかり。シティでは投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価も230円から340円に引き上げている。連結売上高の84%は日本国内向けであり、日本の景気回復が業績を牽引する可能性が高く、同社を取り巻く事業環境に目を向けるべきタイミングと指摘している。これまで弱みであった高い国内売上高比率が今年は逆に魅力になるとの見方。来期は4割超の営業増益を予想している。
<4901> 富士フイルム 3142 +103買い優勢。業績観測報道が伝わっており、買い材料視される展開のようだ。4-12月期営業利益は前年同期比5割増の980億円前後となり、市場予想平均の940億円を上回ったもようとされている。医療事業の販売が順調に拡大、事務機器も好調を持続しているようだ。通期予想は従来計画を据え置く公算が大きいとされているが、強気と見られた計画の達成確度の高まりがプラス視される形に。
<6807> 日本航空電子 1695 +210買い気配スタート。前日に第3四半期の決算を発表、10-12月期営業利益は56億円、市場予想は40億円強の水準であったと見られ、大幅な上振れ着地となる格好に。また、通期予想は125億円から148億円に上方修正、現段階で市場予想を上回る水準まで上方修正されており、市場コンセンサスはさらなる切り上がりが想定されるところ。コネクタの収益性向上などが高まっているもようだ。
<5727> 東邦チタチタニウム 711 +19買い先行。サウジでスポンジチタンの中間原料を生産する合弁会社を設立と発表している。約440億円を投じて工場を建設、同社は35%を出資するもよう。中期的なコストの低減につながっていくとの期待感が優勢の格好に。業績低迷を映して株価は下値圏にあり、株価反転の期待材料として受け止められる。
<2685> アダストリア 3020 -700大幅安。前日には業績予想の下方修正を発表、通期営業利益は101億円から55億円、前期比43%減益の水準にまで減額修正している。年間配当金も従来予想の120円から75円に減配へ。秋冬シーズンの立ち上がり期における商品販売が不振となり、値下げロスが想定以上に拡大したもよう。ゴールドマン・サックス(GS)やUBSでは投資判断を売り推奨にまで格下げ、収益悪化は想定以上であり、苦戦は今下期にとどまらない可能性があるとの見方。
<4461> 第一工業製薬 391 +80ストップ高。四日市に新工場を建設すると発表している。新工場は商品の製造・開発の実証工場としており、新規事業としては、経済産業省から支援を得た、セルロースナノファイバーの応用技術や用途開拓を加速させるとしている。同製品に関しては、進行中のパイロットプラントで実証を完了、次の拡大ステップに入る予定と。セルロースナノファーバーは足元でテーマ性が高まっており、関連銘柄と仕手の期待感が一段と膨らむ格好にも
<7718> スター精密 1268 -73下げ目立つ。前日には岡三が投資判断を「強気」から「中立」に格下げしている。株価上昇や来期の業績見通し引き下げなどを格下げの背景としている。工作機械事業におけるプロダクトミックスの悪化が下方修正の要因のもよう。来期営業利益は従来予想の51億円から41億円に引き下げへ。
<6146> ディスコ 7610 +230続伸。前日には、第3四半期の売上高、個別業績の速報値を発表している。第3四半期の売上高は232億円で前年同期比14.6%増、前四半期比較では14.7%減となった。また、4-12月期の単独営業利益は88.6億円となり、通期予想に対する進捗率は86.1%となっている。ともに市場想定は上振れの格好とみられる。ゴールドマン・サックス(GS)では、足元のミックス改善や為替前提の変更を織り込み業績予想を上方修正、目標株価も7040円から7640円に引き上げている。
<5912> 日本橋梁 204 +4買い先行。前日には高速道路3社が道路の更新計画を発表している。今後15年程度かけて橋梁の造り替えなどの改修工事を進めていく方針のようだ。総事業費は3兆200億円を見込んでいるもよう。あらためて橋梁の更新需要の拡大期待などが高まる格好になり、同社など橋梁関連の低位材料株に関心が向かう展開へ。
<7211> 三菱自動車 1160 -7さえない。前日には公募価格が1120円と決定したものの、安心感が強まるような流れにはなっていない。先週末にかけて急伸した反動も続いているようだ。一方、直近でARJでは投資判断を新規に「ロング」と買い推奨、目標株価は1500円にしているもよう。昨年は自動車大手の中で唯一低迷が続いていたが、一方で今期は過去最高益を更新する可能性が高く、来期以降の収益も着実に改善が予想されるとしている。財務基盤の再構築終了、復配などで、再度魅力的な投資対象になり得るとの判断。
<6366> 千代田化工建 1605 +9堅調。野村では「水素」をテーマとしたレポートをリリースしている。その中では、安価な水素を調達する上で重要なポイントとなる水素の大量輸送・貯蔵工程で、常温常圧での水素の大量液体輸送が可能となる同社の開発技術に注目としているようだ。関連銘柄としての期待感の高まりにもつながる格好へ。また、ドイツ証券では、日揮<1963>とともに投資判断「バイ」継続で目標株価を引き上げている。同社は1632円から1838円へと引き上げているようだ。《FA》