メールは生産性を削ぐ!? 脱メールの成功者が語る秘訣とは

2014年1月21日 17:32

 日々膨大な量のEメールが飛び交う現代、その対応に追われて仕事の非効率化も懸念されている。問題解決のため多くの技術が開発される中、果たしてビジネスマンがメール対応から解放される日はくるのか。海外メディアはどう論じているか。

【増え続けるメッセ―ジ】

 機器さえそろっていれば無料で世界中のどことでも通信ができる時代である。Eメール、ソーシャルネットワークなど、世界はメッセージであふれかえっていて逃げ場がない。特にEメールは最も侵略的な通信手段かもしれないと、ニューヨーク・タイムズ紙は論じた。

 同紙によると、カリフォルニア、パロアルトの技術・市場調査大手ラディカティ・グループの最近の調査報告では、世界中で1日に送信されるメールは1,820億件で年間67兆件にもなるという。これは2012年の、1日に1,440億件、年間52兆件からの上昇で、2012年には33億だった使用中のEメールアカウントが2013年には39億に増えたと報告している。今後4年間に渡り、年6%ずつ増えていくと予想されるという。すでに氾濫状態にあるメッセージがますます増え続けていくということになる。

【Eメールは職場の生産性を削ぐ】

 2004年以来、職場でのEメールの影響を調べているカリフォルニア大学アーバイン校情報学科の教授グロリア・マーク氏は、「Eメールが職場を非生産的で不安に満ちたものにしている」と述べた。仕事でEメールを使わなくなるとストレスが減り、集中力・生産力が上昇したそうだ。ニューヨーク・タイムズ紙にも寄稿しているジャーナリストのクライブ・トンプソン氏は、Eメールは効率の障壁になっていると批評した。本当にメールを必要としていない人にまでメールを送信することによって、送信相手の生産性まで削いでいるという。

【メールの使用法改善かEメール離れか】

 米フロリダ州の地元紙タラハシー.comでは、本当に受け取る必要のあるメールのみ受け取るようにすることが重要だと述べている。受信したメールの対処法としては、送信者、件名に心当たりのないものは削除する。メールを受信するたびではなく、1日のうち2時間だけをメールの処理にあてるようにすることで、生産能力向上に多大な効果があるという。本当に返信の必要なメールにのみ返信、返信用テンプレートなどを事前に作成しておくことで時間を節約できると指摘した。

 またニューヨーク・タイムズ紙では、Eメール離れに成功したIBMソーシャルメディアチームのルイス・スアレス氏を紹介している。ツィッター、グーグルプラス、LinkedInなど公開フォーラムで返信することで、一度で数件のメールを処理できる。現在ほとんどEメールを使っていないという。「開発されたのが現在ならば、Eメールがテクノロジーとして生き残ることはなかっただろう。ソーシャル、パブリック・サイトの方がよほど効率的」と、同氏は評価する。

 今後ビジネスマンにとって、ソーシャルメディアなどの新しいテクノロジーを活用してEメール離れを進めていくことは得策かもしれない。

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