13年11月の国際収支、5928億円と過去最大の赤字
2014年1月19日 16:02
14日に、財務省によって発表された「国際収支状況速報」によれば、2013年11月の経常収支は、比較可能な1985年以降、単月としては過去最大額となる、5928億円の赤字となったことが分かった。こうして経常収支が赤字となるのは、10月に続いて2ヶ月連続のこととなる。円安によってドルで取引される燃料の輸入額が増加し、貿易収支が1兆2543億円の赤字と、11月としては最大の額となったことが影響したとみられる。
海外子会社との配当金などのやり取りを示す所得収支は黒字幅を拡大したものの、原子力発電所停止に伴い、液化天然ガスなどの燃料の輸入が増えた影響で貿易・サービス収支が赤字幅を拡大したことから、経常収支は赤字幅を拡大。また、季節調整済の経常収支は466億円の赤字。
冬場のエネルギー輸入の増加により、貿易赤字が膨らんだうえ、さらに所得収支も日本からの配当支払いにより思うように伸びなかった。
これまで経常赤字は、12年11月から13年1月まで、3ヶ月連続で赤字となったことがある。今回の10月、11月の2ヶ月連続の赤字はそれ以来となる。冬季に膨らむエネルギー輸入が貿易赤字を拡大させてしまい、それを所得収支で補いきれない構図となっているようだ。
今回の赤字の最大の原因となった貿易・サービス収支は、1兆3643億円の赤字であった。液化天然ガスや原粗油や中心に大きく輸入が増加したことが影響したとみられる。これにより、10月に引き続き、1兆円をオーバーする赤字額となった。去年の11月と比べても、3690億円赤字幅が拡大している。このままでは、12月、そして14年1月も引き続き赤字となることも考えられる。
貿易赤字を補てんし続けてきた所得収支は9002億円の黒字だった。しかしその黒字幅は前年比で0.8%アップとわずかであり、1兆円に達することはなかった。例年この時期には、日本からの配当支払いにより所得収支はそれ以外の月と比較しても、額が減少する傾向にあり、そうした影響もあるとみられる。
今回発表を行った財務省は、これからの経常収支の動向に関して、「海外の景気や原粗油をはじめとする輸入の動向次第にあるものの、これからの動きに注目していく必要がある」としている。(編集担当:滝川幸平)