働きたいけど…「出産・育児のため」求職活動をしていない女性113万人 若い世代ほど多く

2014年1月19日 21:26

 安倍政権は「女性の活用」を掲げ、待機児童の解消や、職場復帰・再就職の支援をうたう。少子高齢化で労働力人口が減少する中、女性にも働いてもらい納税して欲しいという思惑が透けてみえる。

 これまで「一家の大黒柱」であった男性の収入も減っており、女性が出産・育児で職を失うことは家計の収入減につながる。「育児と仕事を両立させたい」と願う女性も多い。

 一方、総務省統計局の調査によると、本当は働きたいのに「出産・育児のため」求職活動をしていない女性は、全国に113万4000人もいる。女性が職探しをしない・できない理由のうち、「出産・育児のため」が占める割合は32.9%と突出して高い。

 「平成24年 就業構造基本調査」によると、15~64歳の女性の有業率は63.1%。5年前から1.4ポイント上昇した。共働き世帯が一般的になったこともあり、働く女性は増えている。

 15~64歳女性の無業者は1468万人。うち4割の590万人は「働きたい」と考えている。その中で現在、働きたいが、求職活動をしていない人は344万人。その理由で最も多いのは「出産・育児のため」で113万人だった。次いで「急いで仕事に就く必要がない」が50万人、「病気・けがのため」が34万人と続く。「知識・能力に自信がない」は10万人に過ぎない。

 「出産・育児のため」求職活動をしていない113万人の年齢をみると、若い世代、つまり子どもが幼い世代で高い。最多は「30~34歳」で71.7%、次いで「25~29歳」が63.8%だ。彼女たちの中には、働く意欲はあるが、家事・育児が大変だから、また保育所が見つからないからと、職探しを諦めている人も含まれているだろう。

 政府は今後5年で40万人分の保育の受け皿を確保するとしているが、113万人もの女性が出産・育児のために求職活動ができていないというデータからは、育児サービスの拡充次第で彼女たちの就労率が高まる可能性も見えてくる。(編集担当:北条かや)

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