日本のベンチャーも第一線で活躍 マイクロ人工衛星革命とは?

2014年1月17日 23:01

 ブルームバーグが、「マイクロ人工衛星」ビジネスの活発化について報じている。以前は政府出資クラスの高価な大型衛星にしかできなかったことが、質量100kgに満たない、市販の部品を利用した安価なマイクロ衛星でも可能になってきているためだ。なにしろスマートフォンでさえ、現在実際に軌道上にある衛星の大半よりも処理能力が高いという。

【ヘリコプターなみの格安人工衛星】

 米セキュアワールド財団の技術顧問によると、安い衛星の出現により、中小企業やNGO、果ては個人でさえ、宇宙技術に関わる時代が来るとのことだ。日本の新興企業アクセルスペース社の最初の商用衛星はコスト約2億円で、ヘリコプター程度にすぎない。コンピュータが大型の汎用機からパソコンに変わったことも影響しているという。

 こうしたマイクロ衛星は(地球温暖化により通行しやすくなった)北極海航路の氷山監視、駐車場や道路の混雑監視、貯蔵タンク内の油量監視などに利用されるという。

【打ち上げを請け負う大企業や米空軍】

 衛星の打ち上げについては、三菱重工が9月、商業衛星打上げサービスの最初の注文を受けたと報じられている。同社は実績のあるH-IIAロケットを使用して、積極的に日本および海外での衛星打ち上げサービスを展開する計画だ。

 米非営利団体・宇宙財団によると、世界の宇宙関連支出は2012年に約7%増加して、3043.1億ドルの記録に達した。2012年には78の衛星打ち上げの試みがあり、昨年は81であった。

 またスペースニュースは、米ケープカナベラル空軍基地での打ち上げ請負が増えていることも報じている。2014年は21回の打ち上げが予定されており、2013年の1.5倍だ。1月6日にも商業衛星を打ち上げたSpaceX社だけで、あと9回の打ち上げがすでに予約されている。費用はこうした会社に請求されるため米空軍の予算が増えるわけではないが、予算削減に苦しむ米空軍は見せ場だと意気込んでいるようである。同基地の第45宇宙航空団司令ニーナ・アルマグノ准将は、打ち上げ業務の効率化に取り組む姿勢を表明している。

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