かさ上げ相場が続く展開か、急激な円安なければ輸出関連より内需関連が優位に=犬丸正寛相場展望

2014年1月17日 16:21

  来週(20~24日)も、かさ上げ相場の展開が予想されそうだ。昨年末の日経平均急伸に対し、TOPIXやJPX日経400、新興系銘柄などが比較感から水準訂正となっている流れを受け継ぐものとみられる。

  とくに、指数比較で見ても日経平均は昨年末が高値となっているのに対し、TOPIX及びJPX日経400は、今年に入って昨年末の高値を更新し強い展開となっている。

  日経平均が値を固めている背景には、師走相場で年内のうちに昨年5月の高値を抜いておきたいという期待を背景に急伸した反動があるためだろう。さらに、足元ではアメリカ景気の行方を見守りたい気持ちや週末行われる沖縄・名護市長選挙の結果を見たいということも重なっている。

  アメリカについては12月が7.4万人の増加にとどまった雇用者の増加が1月についてどうなるかが関心となっている。とくに、雇用者のダウンが寒波による影響なのか、あるいは景気そのものに綻(ほころび)が出始めているのではないかを見極めたい空気である。それに、よって今後の金融政策も変わってくる。当面は28~29日のFOMC、2月上旬発表の1月雇用統計を待つ展開とみられ、NYダウは上にも下にも一本調子の動きにはならないだろう。

  NYダウが大きく動かないという前提に立てば、NYダウに対し、ほぼ0.95倍前後で推移している日経平均も大きくは動かないものとみられる。そうなれば、TOPIX型の中低位銘柄に引き続き物色の目が向くものとみられる。

  19日(日)の名護市長選挙で埋立て推進派が勝利すれば、埋立て関連や沖縄関連銘柄が人気となるだろう。とくに、五洋建設が前人気となっているだけに建設株全般に人気が波及することも予想される。建設関連セクターにはオリンピック関連やリニア新幹線に関連した銘柄が多いことから内需関連人気を盛り上げることになるだろう。

  また、月内には「特区構想」の具体的な地域が明らかとなる見通しで、「カジノ関連」なども浮上しそうである。水素エネルギーに関連もマーケットの有力テーマとして急浮上している。

  こうしてみると、急激な円安がない限り、しばらくは輸出関連銘柄より内需関連銘柄が優位の展開が予想されそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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