トクヤマ、東邦亜鉛、大日住薬など/本日の注目個別銘柄
2014年1月10日 16:02
<9983> ファストリ 41100 +1300買い優勢。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は640億円で前年同期比13%増益に。既存店売上の動向や粗利益率低下への懸念が強かったが、市場予想や会社計画を上回る着地になっている。国内ユニクロ事業の営業利益は前年同期比+6.2%、海外ユニクロ事業は同+97.0%増となっている。海外事業が想定以上に拡大したほか、国内事業も想定ほど利益率の低下は見られなかった。
<7261> マツダ 566 +36買い優勢で昨年来高値を更新。SMBC日興では投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価も530円から840円に引き上げている。第3四半期も大幅増益継続だが、来期はさらなる本格的な収益改善に期待としている。今期営業利益は会社計画1600億円に対して1920億円、来期は37.5%増益の2640億円を予想している。「スカイアクディブD」の北米投入延期を発表しているが、特に悪材料視はされていない。
大手不動産三井不動産、三菱地所、住友不動産、東京建物、NTT都市など、大手不動産各社が軒並み安の展開に。シティでは、セクタースタンスを「強気」から「中立」に格下げ、個別でも5社の投資判断を全て買い推奨からダウングレードしている。消費増税を含めた財政デフレ政策により景気減速の可能性が高まっているなか、現在のバリュエーションに割安感はないと指摘。
<4506> 大日住薬 1906 +272買い気配スタート。米インターセプトが開発中の新薬について好結果を出しているもよう。非アルコール性脂肪肝炎についてのフェーズ2試験が成功したようだ。同社は同薬剤の日本と中国での権利を導入しており、ポジティブに捉えられているもようだ。シティでは、同薬剤の2022年ピーク時年商を100億円と予想しているようだ。
<9101> 日本郵船 322 -3売り優勢。公取委からの課徴金納付に備えて、特別損失135億円を計上すると発表している。自動車運搬船で価格カルテルを結んでいたとして、独占法禁止違反で海運4社が課徴金を課される見通しとなったため。短期的な損失計上に加えて、今後の値下げ圧力の強まりなども警戒される状況に。また、前日のバルチック指数が6%以上の下落となっていることも逆風。
<6305> 日立建機 2162 +2堅調。第3四半期累計営業利益は前年同期比4割増の400億円前後になったもようとの観測報道が伝わっている。国内での駆け込み需要の拡大、中国建機市場の緩やかな回復、円安効果などが大幅増益の背景に。市場コンセンサス並みの水準であるが、12月の中国・油圧ショベルの販売台数が前年同月比24%増と回復基調を強めていることもあり、先行きへの安心感にもつながる格好へ。
<6941> 山一電機 341 +80急伸でストップ高。一部の報道では、超薄型の多層基板を開発したと報じられている。他社製品よりも約3割薄くなるもようであり、スマホなどのメーン基板としての採用を見込んでいるようだ。早ければ今年秋にも量産を開始、2016年度には30億円の売上を目指し、将来の収益源に育てていく方針。
<5707> 東邦亜鉛 352 +20大幅反発。みずほ証券では投資判断「買い」継続で、目標株価を400円にまで引き上げている。現状のスポット市況では収益環境は厳しいものの、高品位鉱体へのアクセス開始など一部には改善の兆しがみられ始めているほか、豪ドルの対米ドル安の進行は恩恵になると考えている。また、世界の既存亜鉛鉱山の終掘により、代替の新規鉱山開発が必要となることから、中期的に亜鉛市況は上昇していく可能性が高いとみているようだ。
<4205> 日ゼオン 969 -36下げ目立つ。前日には岩井コスモが投資判断を「A」から「B」に2段階格下げしている。下半期には減価償却費が増加する中で、光学フィルムの値下げ圧力増大、合成ゴムの輸出採算悪化など減益要因が発生しており、収益モメンタムの低下が懸念されるとしている。今期営業利益はほぼ会社計画並みにまで減額修正しているもよう。
<6136> OSG 1964 +145しっかり。前日に前11月期の決算を発表している。営業利益は128億円で前期比8.1%減益、期初に発表した数値どおりの着地となっている。今期は150億円で同16.9%増益の見通しに。今期見通しは市場コンセンサスを10億円ほど下回っているが、前期の年間配当金は従来予想の23円から30円に引き上げており、ポジティブに捉えられているようだ。また、今期見通しに関しても、保守的な数値といった見方が強いようだ。
<4043> トクヤマ 443 +20続伸。三菱マテリアルの四日市工場で爆発事故が発生、プラントの操業が停止されている。生産設備の被害は限定的とも見られているようだが、短期的には、同工場で生産されている多結晶シリコンの需給が引き締まるといった思惑なども高まる格好のもよう。同シリコンを手掛けている同社などには市況上昇などへの思惑が強まる状況と見られる。《FA》