アンタレスロケット、シグナス補給船運用1号機を打ち上げ

2014年1月10日 07:00

  オービタル・サイエンシズ社は9日、シグナス補給船運用1号機(Orb-1)を搭載したアンタレスロケットを打ち上げた。アンタレスの打ち上げは今回で3機目、またシグナスの打ち上げは2機目となり、そして今回初となる、NASAとの契約による国際宇宙ステーション(ISS)への商業輸送サービスという重要な役目を背負っている。

  シグナスOrb-1を搭載したアンタレスは、米国東部標準時12月9日18時7分(日本時間12月10日3時7分)、米バージニア州にある中部大西洋地域宇宙港(MARS)の0A発射台から離昇した。ロケットは順調に飛行し、約10分後にシグナスOrb-1を予定の軌道へと送り込んだ。

  現在シグナスOrb-1は高度210km x 300km、軌道傾斜角51.64度の軌道を周回しており、太陽電池パドルの展開にも成功した。ISSへの到着は12日の11時2分(協定世界時)に予定されている。

  当初打ち上げは1日前の8日に予定されていたが、太陽活動が活発化し、宇宙放射線量が増加し、ロケットの搭載機器への影響が懸念されたため延期された。

  シグナスOrb-1には、ISSへの補給物資として、合計1,465kgもの宇宙食や新鮮な果物、そして実験装置や修理部材、超小型衛星などが搭載されている。今回の打ち上げは、ISSへ物資を輸送するNASAとの商業契約(CRS)に基づく初のミッションで、今後プログレスやATV、HTV、そしてスペースX社のドラゴンとともに、ISSを補給面で支えていくことになる。

  シグナスによる補給ミッションは、今回を含めて全8回が計画されているが、先日ISSの運用が2024年まで延長されることが決定され、それに伴いミッションは増えることになろう。

  アンタレスの打ち上げは今回で3機目となるが、これまでの2機とは異なり、第2段の固体ロケットモーターがキャスター30Aから、より強力なキャスター30Bへと換装し、打ち上げ能力を強化した、アンタレス120と呼ばれる機体が使われた(従来の機体はアンタレス110)。

  またシグナスの4号機(Orb-4)からは、搭載能力を2,000kgから2,700kgまで向上させた、増強型のシグナスが使われる予定となっており、それに合わせてアンタレスも第2段にさらに強力なキャスター30XLを搭載し、打ち上げ能力をさらに向上させた、アンタレス130をデビューさせる予定だ。

 写真=NASA

 ■ISS Commercial Resupply Services Mission (Orb-1)
http://www.orbital.com/NewsInfo/MissionUpdates/Orb-1/MissionUpdate/index.shtml

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