【菜々美のマーケットにつぶやき】2014年は個人投資家参加の予感

2014年1月4日 14:32

■投資環境は整っている、生活防衛は「短期倍場」で

 株式投資において、行き着くところは、『何を買うか』、『どこで買って、どこで売るか』、ということに尽きるのではないでしょうか。もちろん、商売も同じです。ビジネスの場合でも、仕組が株に比べて複雑ということはありますが、やはり、『安く作り、あるいは安く仕入れて高く売る』という行為は全く同じです。

 とくに、ビジネスと株投資の最大の違いは、株の場合、個人一人でやれることです。自宅のパソコンあるいは街角に立ち止まってスマホでの売買も可能です。一人でもやれるビジネスはあるでしょうが、相手との交渉や法律問題などけっこう面倒です。しかも、資金投入→回収まで、かなりの時間が必要です。株の場合、人との面倒な交渉を介さないで自らの手持資金を投じて直ちに結果を得ることができます。

 しかも、マーケットは、日々、2兆円規模の株式売買代金があり、換金性に優れています。とくに、強調したいことは、個人が自由に参加できる、2兆円規模の大きいマーケットは他にはないということです。

 しかし、現実は日々の売買代金2兆円のうち、個人投資家の比率はわずか約3割にすぎません。昔と違って、(1)売買手数料が安い、(2)売買回数の制限がなくなった、(3)証券会社の営業社員を通さないでパソコンやスマホなどで売買ができる、(4)情報がかつてのように一部の大手に独占されるのではなく東証の情報開示システムでスマホなどで公平に見ることができる~など、個人にとって様変わりの投資環境になっています。

 言いたいことは、株は、『昔のように、ひと握りの人だけが、いいおもいをする』、のではなくなっているということです。私たちは資本主義、市場主義の社会で暮らしているのですから、株のベースとなっている企業が社会でどのような活動をしているかは意識しなくても理解できているはずです。比較的すんなり株投資に入って行けるはずです。

 日本には株式会社の名を持つプレーヤーは約200万社、そのうち、上場しているのは約3400社~3500社です。上場企業は試合に参加できる背番号をもった会社であり、すばらしいスタジアムで試合ができる選手なのです。その選ばれた選手の中から私たちは、どの選手を贔屓(ひいき)にするかです。

 贔屓にする、即ち、投資する場合には、(1)自分の好みのサッカーチームを選ぶように好みの銘柄を選ぶ、(2)世界や国内の社会で起きていることをヒントとして恩恵を受けそうな銘柄を選ぶ、(3)東証の決算等の重要情報発表から選ぶ、(4)マーケット内の人気的要因等から選ぶ~などがあるでしょう。もちろん、親しい会社の経営者などからの極秘情報で投資することはご法度です。それを許したら、またマーケットは昔に帰ってしまいます。この点さえ守れば、個人の売買は自由です。

 情報と株価の関係で大切なことは、『業績情報』に対する意識です。昔は業績が株価にとって全てでした。昔は、現在のように四半期決算の発表がなく、また、セグメントといわれる部門別の売上及び利益状況の公表もありませんでした。今は実に詳細です。投資家に自己責任を求める見返りに監督当局は詳しい情報公開を企業に課しています。

 昔は企業業績に対し幹事証券等の情報が駆け巡って不穏な株価形成もあったようですが、現在は東証での公表情報が全てです。もちろん、企業がニセの情報を公開すれば上場廃止や経営者への損害賠償が待ち受けています。したがって、業績は東証で四半期ごとに発表される公式情報を基本として投資先を決めることで十分です。もちろん、景気が良い悪い、あるいは気象などによって企業の業績が変動しそうだと各人が予想して投資することは自由です。

 まだ言いたいことはありますが、こうした流れから言えることは、『個人投資家が主役の時代』がやって来ているといえることです。1%にも満たない預貯金々利で、しかも生活品物価の上がり始めた今日、預金だけでは目減りします。株は昔のような悪いもの、怖いものではなくなっています。とくに、昔は短期売買は『悪』と言われてきましたが、むしろ、社会変化の激しい今日では、個人にとって『短期投資こそ有効』といえる時代ではないでしょうか。

 ことしからスタートのNISAにも個人投資家への熱い思いが込められていると思います。そして、冒頭の「何を買うか」ということに対するヒントとして今年からスタートする新指数『JPX日経400』があります。世界初のROE(株主資本利益)をベースとした400銘柄です。つまり、上場3500社の中で世界においてプレーできる選ばれた銘柄ということです。「お墨付き銘柄」ですから年間を通して安心して投資できます。

 と同時に、「どこで売買するか」ということでは、400銘柄のPER比較やチャートを活用することが有効でしょう。個人の投資が増えれば、資産効果も期待されアメリカのように景気政策にも幅が加わることになります。今年は個人投資家の時代が到来する予感です。(生活&経済ジャーナリスト)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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