【アナリスト水田雅展の銘柄診断】うかいはボックス上放れて高値圏、好業績を評価して上値追い
2013年12月30日 09:42
高級料理店うかい <7621> (JQS)の株価はボックス展開から上放れて高値圏で推移している。12月に「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコの世界無形文化遺産に登録決定したことも支援材料であり、今期(14年3月期)好業績を評価して上値追いの展開だろう。
飲食事業(高級和食・洋食店)を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。新たな成長ステージに向けた戦略として、サービス力向上のための人材育成、製菓工房「アトリエうかい」の多面展開、和食店のお土産品強化、新業態の出店、海外企業との業務提携などを加速している。
14年4月営業開始予定で、うかいの新業態・和食店舗「(仮称)銀座kappou ukai(呼称:割烹うかい)」を新規出店する。初年度売上高は2億50百万円の見込みだ。また海外では13年5月に、台湾・高雄市FIHリージェントグループホテル内レストランのコンサルティング契約を締結し、海外初出店の準備を進めている。
今期の業績(非連結)見通し(11月8日に増額修正)は、売上高が前期比2.4%増の119億64百万円、営業利益が同23.5%増の4億69百万円、経常利益が同70.6%増の3億63百万円、純利益が同85.2%増の3億17百万円としている。人件費増加にに加えて「(仮称)銀座kappou ukai」新規出店費用も発生するが、圏央道尾山IC開通などで商圏が広がったことや、郊外店で客単価が上昇傾向を強めていることなども寄与して和食・洋食とも好調に推移する。
高額消費の活発化が追い風であり、商圏拡大や「うかい」ブランドの認知度向上などが寄与して好業績が期待される。第2四半期累計(4月~9月)は計画を上回る増収増益であり、月次売上高(全店、既存店とも同じ)を見ても、13年10月は前年比99.4%と13年1月(95.3%)以来のマイナスとなったが、13年11月には同105.8%と切り返している。会社見通しは保守的としており、通期再増額の可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、1700円~1750円近辺でのボックス展開から上放れの形となり、12月12日の年初来高値1925円まで上伸した。その後一旦は1820円まで反落したが、足元では1900円近辺まで戻して高値を窺っている。今期好業績を評価する動きだろう。
12月27日の終値1910円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS67円60銭で算出)は28倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は0.6%近辺、実績PBR(前期実績BPS809円98銭で算出)は2.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。好業績を評価して上値追いの展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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