電子書籍を使って「本の読み進め方」の傾向を分析する
2013年12月27日 13:17
eggy 曰く、 インターネットが登場するまで、書籍を出版する側は読者の本の読み進め方を理解できておらず、どのような本で読者が読飛ばしたり拾い読みしたりするのか、またはじっくり読むのかが謎のままであった。しかし、電子書籍の普及により、読者がどのように本を読んでいるのかを追跡可能になり、実際にそうした情報を収集して提供する企業も現れているそうだ(slashdot、New York Times)。
独立系出版のSmashwords社は、10月より定期購読サービスを開始した電子書籍ライブラリ「Scribd」上に225,000冊の電子書籍を公開している。また、同様に今秋よりサービスが開始された「Oyster」と呼ばれるライブラリにも電子書籍を公開している。こうした企業が集めたデータを利用して書籍の「読み進め方」を調査しているそうだ。
集められたデータによると、たとえば長編のミステリー小説では、話の結末を知りたくなった読者が小説の最後まで読み飛ばす傾向があったという。また、ビジネス系書籍と比べて自叙伝の方が最後まで読み切る傾向が高く、ヨガの本では必要な章だけを読むことが分かっているとのこと。章立ての細かい書籍の方が最後まで読み切る確立が25%も高くなることも分かったそうだ。そのほか、宗教関連書籍よりもロマンス小説の方が読むスピードが速く、最も読み進めるスピードが速いのは官能小説だったそうだ。
具体的な書籍に関するデータもあり、たとえば「女性の頭の中を覗くことで女性の驚かせ方を理解することができる」という内容の書籍「What Women Want」を一度読み始めた読者は大概最後まで読み切ることになるが、米国史書籍の「The Cycles of American History」を最後まで読み切る読者は1%にも満たないという。
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