ケンタッキー買うのに2時間待ち!? 海外がみた日本の不思議なクリスマス
2013年12月24日 17:07
12月――日本の街をイルミネーションが彩り、子どもたちはわくわくしながら「サンタさん」に何をおねだりしようかと頭を絞りはじめる。小学生は友達同士でそっと問いかわす。「サンタさんってホントにいると思う?」。そして、テレビコマーシャルにおなじみのセリフが流れ出す――「クリスマスにはケンタッキー!」
【本場アメリカではありえない?! クリスマスにファスト・フードの「伝統」】
ケンタッキー(KFC)が日本に上陸したのは1970年。大阪万博でのテストを経て、名古屋のショッピングモールの駐車場に、記念すべき第1号店が開店した。今日の隆盛からすると意外にも、この1号店の業績は振るわず、出資者である三菱商事は一時、アメリカのKFCコーポレーションとの提携を解消しようとしたという。
三菱商事は結局、「郊外の大型店舗」を主張するKFCの意に反して、「大都市での点在型小型店舗」を目指し、3年後、事業は軌道に乗った。「日本型ケンタッキー」の真の誕生である。
そして、1974年、ケンタッキーに第二の転機が訪れた。ジャパン・トゥデイによると、青山店を訪れた外国人の客の「クリスマスの七面鳥が手に入らない土地では、フライドチキンで代用する」という言葉を耳にした抜け目ないマネージャーの進言により、社をあげてのキャンペーンが始まったのだ。キャッチフレーズは今や日本人にはおなじみの、「クリスマスにはケンタッキー!」。
しかもその後、さらに抜け目ないスタッフが、「カーネルおじさん」がサンタに似ていると「発見」。今や、ケンタッキーの店頭に必ず立っている「カーネルおじさん」がこのシーズンに、赤いサンタの衣装を着るのも「当たり前」になった。The Diplomatはこの日本の風物詩への驚きを、こう報じている。
「日本では、シーズンのCMに人気女優やモデルを採用する力の入れようで、人々は12月のはじめから予約を入れだす。たとえば、新宿の繁盛店ではクリスマスイブには7000ピースのチキンを揚げる見込みで、当日客は2時間並ばなくてはチキンを手に入れることができない。しかも、パーティ・バーレルと呼ばれるクリスマス・セット(チキン8ピースに、サラダ、小さいチョコレートケーキ、記念クリスマスプレートつき)は、驚くなかれ「高級な」クリスマス・ディナーの部類なのだ。お値段3980円(39ドル)なり。アメリカのKFCの「フェスティヴ・フィースト(祝日のごちそう)」(チキン8ピース、Lサイズのサイドディッシュ2つ、ビスケット4つ、クッキー12枚つき)はたったの19ドル99セントなのに!」。
【日本の恋人たちの「典型的な」クリスマス?!】
クリスチャンでもない日本人のクリスマス・フィーバーぶりには、Drive-Thruも注目。クリスマスは家族だけではなく、「恋人たち」にとってとりわけ重要で、この日を一緒に過ごせないことは「別れる」理由にもなりうると述べ、「友人の日本人女性に聞いた」バブル時代を彷彿とさせる、「男性が高級ホテルを予約して、高価なプレゼントを用意し、特別な夜を過ごす」という「典型例」を紹介している。