環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)どんどん先送り

2013年12月24日 15:08


*15:08JST 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)どんどん先送り
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、2014年1月に開催予定だった次回の閣僚会合が2月中旬以降に先送りされることになった。
日米など12カ国の交渉参加国はシンガポールで今月7~10日に開かれた閣僚会合で、年内妥結に向け交渉を続けていたが、農産物や工業品の関税撤廃、国有企業の優遇廃止、知的財産権などの分野で意見の隔たりがあった。そのため、声明で次回会合を来年1月中に開くとしていたが、交渉進展が見込めないと判断し延期することにした。具体的な日程や場所の調整も進んでいないという。
現段階でTPP交渉は妥結への見通しも立っておらず不透明さを増している。
政府も米国と連携して早期妥結を目指してきたが、米国が日米の関税交渉で全く譲歩しないことから、早期妥結にこだわらず、関税維持を優先する交渉戦術に転換する方針を固めた。次回の閣僚会合前に日米協議を開き関税交渉を行う予定で、改めてコメや麦、牛肉・豚肉、乳製品など農産品の重要5分野に関して関税維持を求める。これに米通商代表部(USTR)のフロマン代表らが関税の完全撤廃という主張を続ける場合は協議を継続し、新興国に規制改革の利点や対応策を説明するなど交渉妥結に向け協力してきたものも縮小させる。
米国が譲歩することなく一方的な要求を続ければ、次回の閣僚会合でも妥結の道筋が見えず交渉が長期化する可能性も高くなる。
米国にもその他の国々にもそれぞれ国内事情があり、喜んで合意できることは少ないだろうが、譲歩するところは譲歩しなければ早期妥結など到底あり得ないことになる。
ゴリ押しだけでない駆け引きが求められ、交渉力が試される。《YU》

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