【話題】大阪ガスの特別損失でシェールガス掘削の難しさ露呈、新エネの本命はメガソーラー

2013年12月23日 13:18

  大阪ガス <9532> は20日、14年3月期連結純利益の減額修正を発表した。米国で権益を取得したシェールガス鉱区について地層にやや難があり、現在の掘削技術では経済性に見合った量を掘り出すことが難しいと判断したためだ。投資額のうち290億円を特別損失として計上する。

  シェールガスは非在来型の天然ガスで、水圧破砕などの技術革新によって低コストでの商業生産が可能になった注目の新エネルギーである。米国では製造業の国内回帰に加えて、米国の貿易収支構造、エネルギー政策、さらに安全保障戦略にも影響を与える可能性があるとして「シェール革命」に沸いている。しかし安定的で採算ラインに乗る商業掘削に向けての技術的な難しさが、あらためて認識されることになりそうだ。

  また、日本近海の海底資源として注目されるメタンハイドレードについて、政府は23年度までの商業化を目指しているが、技術やコストなどの面で課題が多いため、商業化には相当な時間を要する。洋上風力発電についても商業化や普及には時間を要するだろう。

  新エネルギーの本命としては、やはりメガソーラー(大規模太陽光発電所)の開発・普及が加速することになりそうだ。メガソーラー開発・運営事業者にとって、12年度の申請案件については最長20年間42円/1キロワット時の買い取り価格が継続する。13年度からは買い取り価格が37円80銭/1キロワット時に引き下げられたが、一方では太陽光パネルなどシステム価格の下落も進んでいるため、安定収益源であることに変わりはないだろう。

  メガソーラーの開発・運営に積極的なウエストホールディングス <1407> 、日本アジアグループ <3751> 、三井物産 <8031> 、ソフトバンク <9984> 、太陽光発電設置工事関連のエスアールジータカミヤ <2445> 、サンコーテクノ <3435> などに注目したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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