北洋銀行、シチズン、ジャックスなど/本日の注目個別銘柄

2013年12月18日 15:50


<8524> 北洋銀行 423 +24買い優勢。公的資金1000億円を来年3月から1年以内で完済すると発表、評価材料につながっている。リーマンショック後に資本注入を受けた銀行が、公的資金を完済するのは初めてとなるもよう。従来の完済予定18.3期を大幅に前倒しする形に。公的資金返済後も自己資本比率は10%以上を確保する見通しであり、想定以上のスピードでの財務基盤の強化が評価される格好。

<7752> リコー 1070 -53売り優勢。メリルリンチ(ML)では業績予想を下方修正、当面は低調な株価推移が予想されるとの見方。新製品立ち上げの苦戦に伴う複写機出荷台数下振れを背景に、10-12月期営業利益は340億円にとどまると予想、通期予想は会社計画1400億円に対して従来の1360億円から1260億円に減額している。市場コンセンサスは1320-1330億円レベルとみられる。

<7262> ダイハツ工業 1714 -46さえない。シティでは投資判断を「2」から「3」に格下げしている。ルピア安と競争激化によるインドネシア事業の収益悪化、消費税増税による国内事業の販売数量減、先行投資負担の増加などから、来期は2ケタ減益となり、市場コンセンサスを大幅に下回ると予想しているもよう。営業利益は今期予想比17%減の1200億円を予想。

<9747> アサツーDK 2490 +162上げ目立つ。年間配当予想の引き上げを発表、買い材料視されている。従来予想の20円から132円にまで上方修正、前期比21円の増加となる。投資有価証券売却益28億円を特別利益に計上、株主還元を厚くするもようだ。配当利回りは5%を超える高水準にまで上昇する。なお、メリルリンチ(ML)では、業績トレンドが相対的に大きく見劣りしている時期に実施すべき戦略であるかは、社員のモチベーションを考えると疑問であるとしている。

<5471> 大同特殊鋼 524 -12軟調。クレディ・スイス(CS)では投資判断を「ニュートラル」から「アンダーパフォーム」に格下げ、目標株価も570円から430円に引き下げている。円安の継続、電力費上昇、鉄スクラップ価格の上昇などが利益を圧迫、業績はコンセンサスを下回る可能性が高くなったと判断しているようだ。また、CSでは愛知製鋼<5482>の投資判断も同様に格下げしている。

<7762> シチズン 850 +61大幅反発で高値更新。モルガン・スタンレー(MS)では投資判断を新規に「オーバーウェイト」、目標株価を960円と設定している。今後3年間の時計事業の売上高成長率は10%以上と予想、同社時計事業の中期経営計画を大幅に上回るとみているもよう。懸念される時計事業の海外売上高の鈍化などは想定していないようだ。また、他の時計2社に比べて非時計事業の利益貢献が最も大きい点も評価要因と。

<8584> ジャックス 484 +31朝方から強い動きが目立つ。東海東京ではレーティングを「3」から「2」へ格上げしている。高額品消費の回復、個別信用購入あっせんの反転、カードキャッシングの底打ち、株価の割安感などを格上げの背景としているもよう。今期からは増収に転換見通しで、来期・再来期と収益は2ケタ成長を予想している。

<4996> クミアイ化学 750 +42しっかり。本日決算発表を予定している。通期営業利益は8.6%増益見通しだが、第3四半期累計では前年同期比82.5%増益となっており、上振れ期待などが先行する形にもなっているようだ。また、野村では農薬業界のポジティブなレポートをリリースしている。国内農薬メーカーの高い開発力は、ブラジルの高成長が取り込みうるなど、グローバル市場での収益拡大につながっていくとしている。同社の目標株価は870円から950円へ引き上げ。

<6952> カシオ 1235 +67買い優勢。モルガン・スタンレー(MS)では投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も930円から1360円に引き上げている。時計市場は今後も成長が続くと見込まれる中、今後3年間の時計事業の売上成長は相対的に最も大きいと評価している。また、平均利益率が最も高いともしており、日系時計3社の中ではトップピックに位置づけているようだ。

<3402> 東レ 723 +16堅調。2016年度をメドに、炭素繊維の生産能力を現在よりも5割以上増やすと報じられている。航空機向けの需要急拡大に加えて、今後は自動車向けの本格採用も見込めるなど、世界的な市場の拡大が想定される中、積極的なシェア拡大策を評価する見方も強いようだ。ただ、1200億円規模の大型投資を実行することで、資金負担増への懸念などは上値を抑える要因にも。《FA》

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