東京電力、ディップ、ショーワなど/本日の注目個別銘柄
2013年12月16日 16:11
<9501> 東京電力 524 +5買い先行。政府では同社向けの融資枠を現在の5兆円から9-10兆円に拡大する方針を固めたと報じられている。また、同社の負担額は最大8兆円に限定するなどとも伝わっている。融資枠の拡大は不可避な情勢であったと見られるが、今後の株主負担は限定的になる可能性が高まるなど、先行きへの過度な懸念の一段の低下につながる格好のようだ。
<4004> 昭和電工 143 -8売り先行。先週末に中期計画の説明会が開催されているが、数値目標を下方修正しており、ネガティブな材料につながっているもようだ。2015年12月期の営業利益は当初見通しから55%減の500億円に設定のようだ。中計の下方修正を想定線と見られるが、メリルリンチ(ML)では、来12月期計画のHDM、人造黒鉛電極の低迷は想定以上と推測され、ややネガティブな印象としている。
<2678> アスクル 3050 -220売り先行。先週末には上半期の決算を発表、 営業利益は14.7億円で前年同期比59%減益、従来予想の16億円を下振れる着地となっている。ヤフー<4689>との提携効果などに対する期待感など高まりやすい状況でもあるだけに、下振れ着地にネガティブな反応が強まる格好へ。また、ドイツ証券では投資判断を「バイ」から「ホールド」に格下げ、ネットの活用で飛躍できる企業として注目は続けるものの、株価上昇で短期的なアップサイドが限定的となったと判断のもよう。
<3003> ヒューリック 1543 -81さえない。みずほ証券では投資判断を「買い」から「中立」に格下げしている。目標株価は1550円と設定しているようだ。株価は2013年に入ってから約3倍の水準にまで上昇。不動産株の平均上昇率61%を大幅にアウトパフォームしているなど、足元の株価の上昇を反映させているもよう。成長性や今後展開力などを織り込んできたと判断しているようだ。
<8070> 東京産業 409 +80ストップ高。除染関連の一角として人気化する格好になっている。福島原発事故に伴う除染廃棄物から、放射性セシウムを高い効率で分離して取り除く技術を、京都大学と土壌改良ベンチャーのアースなどのチームが開発したと伝わっている。同社はアースと共同でプラントを共同開発しており、関連銘柄としての位置づけを高める状況になっている。
<2379> ディップ 945 +150ストップ高。先週末に業績予想の上方修正を発表、通期営業利益は従来予想の10億円から13億円に増額修正している。「バイトルドットコム」におけるサイト機能強化、積極的なプロモーション活動の奏効などが背景に。12日から東証1部に上場変更されたばかりであり、好業績を背景とした機関投資家の組入れニーズが増大するとの期待感にもつながる。
<7274> ショーワ 1596 +79買い先行。三菱UFJでは投資判断「アウトパフォーム」を継続、目標株価を1600円から1800円に引き上げており、買い材料につながる格好とみられる。来期以降、ホンダ<7267>の四輪車及び二輪車の成長が想定以上に享受可能となる公算を評価としている。新型フィットやオデッセイでのEPSなどの失注といった懸念要因は、大部分がオフセット可能になってきたとしている。
<9603> HIS 5440 +260反発。先週末は取引時間中に発表した決算を嫌気して、大幅安の展開となっていた。実績営業利益は従来計画の150億円を下回る118億円での着地となっている。ただ、ハウステンボスの好調持続や旅行事業の回復などを背景とした今期の業績拡大期待に変化はなく、会社側の今期見通しも保守的な印象が強いといった見方に。カジノ関連銘柄としての期待感も高いことから、見直しの動きが早まる状況にもなってきている。
<9984> ソフトバンク 8620 -280さえない。先週末の海外紙において、スプリントがTモバイルの買収を検討していると報じられている。比較的、M&A展開には好反応を示しやすい傾向があるものの、以前から観測されている内容であるほか、米当局の承認は難しいといった不透明要因も強いことから、本日は特に買い材料につながっていない。また、仮に買収に進んだ場合でも、ディッシュなど対抗企業が出てくる可能性も高く、資金負担への警戒感も拭いきれないといった見方に。
<3657> ポールトゥウィン 3105 +60しっかり。いちよしでは、レーティングを新規に「A」、フェアバリューを5000円としている。海外デバックやネット監視事業など注力分野が好調に推移、事業基盤が整ったことで、今後も継続した利益成長が期待できるとみているようだ。今1月期は会社計画を上回る3割増益を予想、来期、再来期ともに2ケタの利益成長が続くとみているようだ。《FA》