プロトンM/ブリーズMロケット、通信衛星インマルサット5 F1を打ち上げ

2013年12月14日 18:00

  インターナショナル・ローンチ・サービシズ(ILS)社は12月8日、インマルサット社の通信衛星インマルサット5 F1を搭載した、プロトンM/ブリーズMロケットを打ち上げた。インマルサット5 F1は、グローバル・エクスプレスと呼ばれるKa帯を用いた通信サービスを提供する、全4機からなる衛星のうちの、最初の1機となる。

  プロトンMは現地時間12月8日18時12分(日本時間12月8日21時12分)、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の200/39発射台から離昇した。ロケットは順調に飛行し、15時間31分後に衛星を、遠地点高度65,000kmのスーパー・シンクロナス・トランスファー軌道に投入した。

  インマルサット5 F1はインマルサット社によって運用される通信衛星で、ボーイング・サテライト・システムズ社によって製造された。89基のKa帯トランスポンダーを搭載し、移動体向けに50Mbpsという高速の通信サービスを提供する。打ち上げ時の質量は6,100kg、設計寿命は15年が予定されている。グローバル・エクスプレスは予備機を1機含む、全4機から構成される計画となっている。

  今回、インマルサット5 F1が投入されたスーパー・シンクロナス・トランスファー軌道と呼ばれる軌道は、遠地点(地球からもっとも遠い位置)が静止軌道の高度である36,000kmよりもはるかに高い軌道のことで、静止軌道の軌道傾斜角である0度への軌道変更が、通常の静止トランスファー軌道から行うよりも少ない燃料で可能となり、衛星側の搭載燃料を節約できるという利点がある。

  プロトンMは7月の打ち上げ失敗以来、4機連続の成功となった。

 ■Commercial Rocket Launch | Inmarsat-5 F1 | Mission Success Release | International Launch Services
http://www.ilslaunch.com/newsroom/news-releases/ils-proton-successfully-launches-inmarsat-5-f1

 【関連記事】
プロトンMロケット、軍事通信衛星ラードゥガ1Mを打ち上げ
プロトンMロケット、通信衛星シリウスFM-6を打ち上げ
シリウスFM-6搭載のプロトンMロケット、打ち上げ延期
プロトンMロケット飛行再開、墜落事故以来3ヶ月ぶり
プロトンMの復帰打ち上げ、技術的問題により延期

関連記事

最新記事