富士通、NICTなど、IPv4アドレス枯渇問題を解決する技術の大規模実証実験に成功

2013年12月11日 14:50

 富士通、富士通コンピュータテクノロジーズ、独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)、北陸先端科学技術大学院大学は11日、IPv6ネットワークで構成されるデータセンターにおいて、同じIPv4アドレスを異なる機器で共有できる技術の大規模実証実験に成功したと発表した。

 今回の成功により、枯渇しつつもいまだ多方面で利用されているIPv4アドレスについて、従来は機器ごとに一つずつ割り当てられていたIPv4アドレスを複数機器で共有することができるようになり、IPv4の継続利用と増設が可能になるという。

 近年、アジア太平洋地区だけでなく、欧州各国でもIPv4アドレスが枯渇し、IPv6への移行が迫られている。IPv4アドレス枯渇後は、割り当てるIPv4アドレスがないため、サーバーを増設できない事態になることが予測されている。

 一方、データセンターをはじめ、あらゆるシステムが今後IPv6ネットワークで構成されていく中で、そのネットワーク上でIPv4アドレスが継続して利用できるような環境構築も重要になっている。

 この課題を解決するため、富士通はIPv6ネットワーク上でIPv4アドレスの共有と通信を可能にする「SA46T-AS」技術を開発し、すでにサーバー数台程度の小規模な実証実験を行い、基本的な方式実証に成功している。

 しかし、「SA46T-AS」技術の実用化には、「SA46T-AS」を組み込んだ仮想サーバが手動による操作および個別の設定なく大規模に自動で展開する技術の実現が鍵となり、さらに、大規模環境における性能が十分実用的であることが重要なポイントとなっていた。

 実験は、2012年6月12日に発表済みの富士通が開発したIPv6ネットワーク上でIPv4アドレスの共有を可能とする技術「SA46T-AS」を、NICTの大規模ネットワークテストベッド「StarBED」上で動作させることに成功したもの。

 また今回は、新たに、「StarBED」上で「SA46T-AS」を組み込んだ仮想サーバにおいても、手動による操作および個別の設定をなくし、自動的に大規模展開されたことを確認した。

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