丸紅、電力需要応答の米EnerNOCと合弁会社を設立
2013年12月10日 11:16
丸紅は10日、米EnerNOCと、日本でデマンドレスポンス(電力需要応答)を提供する合弁会社「エナノック・ジャパン(EnerNOC Japan)」を設立することで合意したと発表した。
デマンドレスポンス(DR)は、電力需給逼迫時に需要家に短時間の節電を働きかけて対価を支払うことで、需給緩和と長期的な電力設備の投資抑制を実現する事業。
エナノック・ジャパンでは、EnerNOCの世界最大のDR事業者としての知見と、丸紅の電力事業のノウハウを集約し、日本の電力需給安定化に寄与することを目指すという。エナノック・ジャパンは、EnerNOCのクラウドベースのDRアプリケーション「DemandSMART」の日本における独占ライセンスを保有する。
また、丸紅は11月22日、東京電力と共にEnerNOCを丸紅の委託事業者として、経済産業省の次世代エネルギー実証事業の事業者に採択された。丸紅とEnerNOCは、同事業でピーク時供給力のためのDRと運転予備力調達のためのDRを東京電力に提供する予定で、日本の電力システムにDRを導入するための礎となることが期待されているという。
丸紅とEnerNOCは2012年に関西電力の「BEMSアグリゲーターとの協業による電力需給の安定化に向けた取り組み」事業に共同で参画した経緯があり、同事業を含むこれまでの協業を通じて、今回のエナノック・ジャパン設立の合意に至ったという。
EnerNOCは、米国を中心に、豪州、カナダ、英国、ニュージーランドで事業展開しており、管理している総需要削減規模は約9,000MW。
丸紅はこれまで海外で累計96,000MWの発電所建設実績を持ち、全世界の総発電設備容量は約33,000MW、出資持分換算で約10,000MWを保有している。同社は、日本で注目が高まっているDRなどの需要サイドの取組を含め、今後も電力バリューチェーンにおける積極的な事業展開を進めていくとしている。