【木村隆のマーケット&銘柄観察】SQを控えるが、解消売りが一巡し底堅い展開に

2013年12月8日 13:51

<相場展望>(12月9~13日)

  12月第1週(2~6日)は、日経平均は3日に終値での年初来高値を更新したものの、4日は341円安、5日も230円安と急落、週末6日は122円高と反発するなど、やや波高い展開となった。

  その要因は高水準に膨らんだ裁定買い残。直近11月29日現在で、4兆2900億円と、5月17日申し込み現在の4兆3100億円以来水準に達し、解消売り懸念が持たれていたが、市場の想定通りの解消売り場面がひとまず出たようだ。ただ、3、5日にかけての急落場面で大分解消売りが出ている形跡がある。売り一巡から再度増加に転じるのか、裁定買い残が需給では当面最大の注目点と言える。

  投資主体別売買状況では、海外投資家が11月第4週も2696億円の買い越し。これで5週連続の買い越しとなる。ヘッジファンドなど、目先筋の動きも指摘されるが、ファンドの新たな組み入れへ向け、例年1月は海外投資家が大幅な買い越しとなるのが通例である。

  第1週末、6日のNYダウは雇用指標の好転で、198ドル高。つれて、CMEの円建て日経平均先物も1万5565円と、6日の大証の引け1万5310円を大きく上回って帰ってくる。今週はSQという波乱要因もあるが、前週の底値を買いそびれた投資家の押し目買い流入も期待され、意外に底堅い展開を想定している。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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