SUBARUスポーツツアラー「LEVORG」に帰国子女の従姉妹がいた

2013年12月5日 20:43

 富士重工業が今年の第43回東京モーターショー(TMS)、プレスデー初日(11月20 日)に新型「LEVORG(レヴォーグ)」を世界初公開して話題となった。ある意味で、国内で先代までのレガシィ・ツーリングワゴンGT系を引き継ぐモデルと思われる存在だ。インプレッサ・スポーツハッチでは小さすぎる、現在のレガシィ・ステーションワゴンでは大きすぎるとするユーザーの声に応えた、比較的コンパクトで抜群のスポーツ性能を備えたモデルである。

 ところが、TMSとほぼ同じ日程で、アメリカ・ロサンゼルスでは「LAオートショー」が開催されていた。

 そのLAショーで富士重は、事前に「次世代レガシィのスタディモデルをワールドプレミアする」と写真と共に発表していたが、もう一台の世界初公開モデルが存在していた。

 それは、「SUBARU WRX」である。発表したリリースの冒頭で富士重はこう記している。「新型WRXの商品コンセプトは、“Pure Power in Your Control”。優れた環境性能を併せ持つ2リッター水平対向直噴ターボ“DIT”エンジンがもたらす強烈なパワーを、徹底的に剛性を高めたボディとシャシーで受け止め、ドライバーにハイパワー車を意のままに操る歓びを提供します。さらに、トランスミッションには、6速マニュアルトランスミッションに加えてスポーツリニアトロニックを新規設定。滑らかな変速モードだけでなく、シャープな変速レスポンスを実現する8速マニュアルシフトモードも備え、より多くのドライバーへスポーツ走行の愉しさを提案します」とあるのだ。

 この車両概要、TMSで富士重の資料を受け取った方は「ピーン」とくるはず。まさに、「LEVORG(レヴォーグ)」セダンが「WRX」なのだ。搭載する、2リッター水平対向4気筒直噴ターボDTIエンジンの出力&トルクは、米国式表記に改められ、最高出力268hp/5600rpm、最大トルク268lb.ft/2000-5200rpmと、それぞれの発生回転がレヴォーグと一致する。ちなみに、レヴォーグの出力/トルクは、300ps(221kW)/40.8kg.m(400Nm)だ。

 日本国内専用とされたレヴォーグのトランスミッションはスポーツリニアトロニックが2リッターモデルに搭載される。これはレヴォーグ同様に「スポーツ#」をSドライブで選択すると8段ステップのマニュアル変速が可能となる。が、この米国版の従姉妹であるWRXには、もうひとつ魅力的なトランスミッションが搭載される。6速マニュアル(6MT)が選択できるのだ。

 WRXのディメンションは全長×全高×全幅4594×1795×1475mm。ホイールベース2650mmとレヴォーグと完全に一致するのでシャシーは完全に同じだ。日本国内の我が儘な“スバリスト”は、このWRXも国内発売を望むだろうな。なかでも6MT車は魅力だ。個人的には、このターボエンジン+6MTを、既存のインプレッサ・スポーツに載せた「GTI」が欲しい。(編集担当:吉田恒)

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