【編集長の視点】セガサミーは続急伸、カジノ関連株は関連法案の国会提出を先取り軒並み高

2013年12月2日 10:12

<マーケットトーク>

  セガサミーホールディングス <6460> は2日、155円高の2854円まで上げて続急伸している。前週末11月29日に自民党総務会でカジノ解禁に関連する「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法案」が了承され、今国会に提出され、来年の通常国会で成立する見込みとなったことを先取り、韓国などでカジノ施設を建設中の同社株に関連株買いが増勢となっている。

  カジノ関連株は、同社株のほかにも幅広く買われている。海外のカジノ施設向けにスロットマシンを開発・製造しているコナミ <9766> が、35円高の2698円と3営業日続伸して始まり、貨幣・紙幣識別機の日本金銭機械 <6418> が、76円高の2345円と続伸、グローリー <6457> が、75円高の2847円と4営業日続伸、メダル計数機のオーイズミ <6428> が、37円高の1299円と続急伸、カジノ事業進出が観測されているエイチ・アイ・エス <9603> が、40円高の5590円と3営業日続伸して始まるなど、軒並み高となっている。

■来年の成立を目指し巨額の経済波及効果も観測

  カジノ法案は、劇場、国際会議場、ホテルとカジノ施設を併設する総合型リゾート施設(IR)の建設を促進する法律で、超党派の議員連盟(IR議連)により立法化が進められており、29日に自民党総務会が了承された法案は、犯罪の温床となることを防ぐために、運営業者を免許制として専門の査察官を内閣府の外局に管理委員会として設置するなども基本方針を定めている。今国会では、12月6日まで残りの会期から成立は難しく、来年の通常国会での成立を目指し、別に実施法案も成立させてカジノ解禁を図る。関連の経済波及効果は、税収特需の数千億円を含めて約8兆円とも観測されており、「アベノミクス」の成長戦略の一翼を担うと期待されている。

  セガサミーは、すでに韓国で合弁会社を設立して仁川国際空港の隣接エリアでカジノ施設の建設に着手し、今年1月には韓国・釜山広域市が開発する複合都市「センタムシティ」での複合施設開発について落札した。国内でも、昨年2月に宮崎県で国内有数のリゾート施設「シーガイア」を運営するフェニックスリゾート(宮崎県宮崎市)の株式を取得して完全子会社化しており、国内でのカジノ事業進出の一番手に位置するとみられている。

■サンリオ株式売出しの特別利益計上が上値追いを加速

  セガサミーの株価は、今年9月に今3月期第2四半期(2Q)累計業績を下方修正して2512円安値まで400円安し、その2Q累計業績が、下方修正値を上ぶれて着地したことで半値戻し水準まで反発、サンリオ <8136> が実施する自己株式売出しに保有する同社株式を売出して参加し、投資有価証券売却益100億円を計上すると発表したことで上値を窺っている。PERは14倍台と割安であり、9月の戻り高値2911円奪回のから年初来高値3015円を目指そう全値戻しに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォマートは年初来高値更新してボックス上放れ、好業績評価して一段高ほぼ確実(2013/11/27)
フライトHD3000円突破、新製品効果で業績飛躍、次は5000円へ(2013/11/25)

関連記事

最新記事