NYダウと「2日新甫」を気にしながらの回転の速い展開に=犬丸正寛の相場展望

2013年11月29日 16:37

  来週は12月の『師走相場』入りである。このところの相場は、短期売買が主流となっているが、師走という特別な月であることと、特に、NYダウはいつ反落してもおかしくないことを考えれば短期売買がいっそう激しく目まぐるしいものとなりそうだ。

  NYダウは強いものの、このところの日足チャートで小さいながら上ヒゲ足が目につく。こうしたチャートの場合、上値に対する警戒感があるためだ。来週には11月分の雇用統計が発表という材料が控えている。この結果によっては、現在、実施中の量的金融緩和が継続されるか、あるいは縮小となるかが注目される。基本的には、クリスマス商戦前に消費にマイナスとなるような株安にはしないとは思われるが要注目の点であり、来週のNYダウは様子見となる可能性はありそうだ。

  一方、日本のマーケットは、日経平均が終値で5月の高値を更新し明るさがいっそう加わっている。次は5月23日につけた場中の高値1万5942円が目標である。その可能性は高いといえる。

  背景となる企業業績が、日経平均予想1株利益において直近28日時点で975円まで上昇している。主力銘柄の決算発表が一巡したあとから1株利益が上向いていることには不満は残るものの企業業績が全体的に向上しているということでは明るいことである。しかも、ここに来て、『円安』となっていることから主力の輸出関連の業績に再び期待できる展開といえる。

  とくに、日経平均予想1株利益では2007年水準を上回ってきたことから、日経平均についてもリーマンショック前の2007年2月の1万8300円(場中値)奪回は十分に期待できるところである。

  ただ、基調は強いなかで日経平均の30日線カイリ率は既に6%水準に達し、警戒信号を発している。5月の時にはカイリ率10%があったが、今回そこまでいけるかどうかは疑問である。為替が1ドル・110円というような円安に進めば別だが、105円ていどなら人気爆発でカイリ率10%ということにはならないだろう。

  12月は荒れる『2日新甫』にもあたっている。しかも、気ぜわしい12月の師走相場でもある。NYダウを横目でみながら、次から次へと物色銘柄を交代する回転の速い相場となりそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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