海運セクター、造船株、九電工など/本日の注目個別銘柄

2013年11月28日 15:44


海運セクター業種別上昇率トップ。国内海運各社がLNG船を大量発注へと伝っているが、LNG需要の将来的な増加を背景に、輸送力増強に伴う一段のシェアの高まりなどが期待される格好へ。また、バルチック指数が4%超の上昇となっていること、SMBC日興が大手3社の目標株価を一斉に引き上げていることなども支援材料へ。なお、相対的に中小型海運株の上昇が目立つ。

造船株総じて買い先行。佐世保が上昇率トップになっているほか、三井造船などの上昇が目立つ。LNGの世界的な需要増加を背景に、国内海運会社がLNG輸送船を大量発注と報じられており、メリット期待が高まる状況のようだ。市場拡大に加えて、足元での円高是正の動きに伴う日本勢のシェア上昇などへの期待感も高まる方向に。

<5741> UACJ 336 +18買い先行。LNG船の特需報道を受けて、メリット期待が高まる状況に。経営統合前の古河スカイは、LNGを運ぶ船のアルミ厚板を国内で独占供給とされていた銘柄であり、LNG船の需要拡大による恩恵の享受が期待されるところ。LNG関連ではトーヨーカネツなどにも関心が向かう展開へ。

<1959> 九電工 632 +46大幅高。本日の立会外取引での自己株式取得を発表、発行済み株式数の9.58%に当たる700万株を取得している。一株当たり価値の向上を評価する流れとなっている。また、発行済み株式数の20.44%に当たる1696万株超の自己株消却も発表している。将来的な株式放出懸念の後退など、株主還元策として好感される状況にも。

<4541> 日医工 2136 -233急落。コミットメント型ライツ・オファリングの実施を発表、株式価値の希薄化を嫌気する動きが優勢に。12月6日現在の株主に1株当たり0.5株の割合で、新株を1株676円で取得できる権利が割り当てられる。未行使分は野村證券が取得して行使、1月30日までに発行済株式数は現在の1.5倍に増加することになる。バークレイズでは希薄化率は約24%と推定、大和では株価の調整リスクは大きく、投資判断は再検討としている。

<5706> 三井金属 293 +15買い優勢。野村では投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ、目標株価も255円から340円に引き上げている。ドアロックや電解銅箔については生産体制の再編成が軌道化、収益改善が進む可能性が高まってきたとの評価。今期に続いて来期も、素材セクターの中で非常に高い利益成長が期待できる状況と判断しているようだ。

<6622> ダイヘン 458 +10しっかり。ワイヤレス給電に対応したEV向けの電源を開発したと発表している。従来よりも高い周波数に対応した電源を開発したことで、駐車がずれても充電が可能となるもよう。個人投資家の関心が高まりやすい銘柄でもあることから、中期的な市場拡大期待の高いEV関連の材料に、敏感に反応する展開となっている。

<3660> アイスタイル 689 -29軟調。明日、マザーズ市場にアライドアーキテクツが新規上場を予定している。ネット関連のマザーズ案件ということで期待値は高いが、同社は発行済み株式数の4.42%を保有する第5位の株主となっており、これまで含み資産の拡大期待などが先行する状況となっていた。本日は上場後の出尽くし感などを意識した動きが優勢になっているものとみられる。

<2206> グリコ 1167 +64上げ目立つ。8月の直近高値を更新し、信用好需給なども妙味に上値余地の広がる展開となっている。足元、東海東京では投資判断「1」継続で、目標株価を1200円から1300円に引き上げ。国内の収益構造改革を進めて、獲得した利益を海外事業に積極投入する戦略を推進、業績拡大局面を迎えてきており、アジアで稼ぐ菓子メーカーへの変貌を遂げていることに注目としている。

<1824> 前田建設 635 -19さえない。UBSでは投資判断を「ニュートラル」から「セル」に格下げしているもよう。目標株価は600円を継続。建設セクターの収益は改善傾向にあるが、採算面などでの不透明要因も多く、急回復は難しいと指摘している。相対的に同社の割高感は強いと判断しているようだ。

<5471> 大同特殊鋼 562 +25強い動き。メリルでは投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、目標株価は630円から680円に引き上げている。自由鍛造品や磁石製品など高収益品の伸びが想定以上、今後の収益成長に寄与するとの確信が高まったことを評価引き上げの背景としている。来期営業利益は5割以上の増益を予想しているようだ。

<3436> SUMCO 964 +51買い優勢。第3四半期(8-10月期)の営業利益は前年同期比1割以上増加の30億円超になったもようと伝わっている。減収となったものの、合理化効果で増益を確保したもよう。通期の営業利益は従来予想を上回る可能性が高いと。スマホ向けシリコンウエハの伸び悩み懸念が強まっていたなか、市場予想を上回る利益水準確保で、安心感が強まる格好になっている。《FA》

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