フォルクスワーゲン「Twin up!」の燃費は何と“90.9km/リッター”

2013年11月27日 10:04

 フォルクスワーゲン(VW)は今回の第43回東京モーターショー(TMS)で、輸入ブランドとしてもっとも大きな規模の展示をした一社だ。

 “なかで”、昨年日本に上陸して喝采を浴び、その後順調に販売が伸びている「VW up!」の参考出品車2台に注目したい。「Twin up!」と「e-up!」である。

 “なかで”、世界初公開の「Twin up!」にフォーカスして報告する。キャッチコピーは次のとおり。「東京モーターショーで世界初公開。4人乗りとしては歴代最高1.1リッター/100kmの燃費を実現」である。

 欧州では、「100km走るのに何リッターのガソリンを消費するか」が燃費を表現する際の基準。日本の「1リッターのガソリンで何km走れるか」に慣れた頭にはピンと来ない。が、この「Twin up!」の燃費、日本風に言うと“90.9km/リッター”と半端な数字ではない。

 この数字を達成した秘密はメインステージのターンテーブルに綺麗なお姉さんと共に展示された「VW XL1」という、欧州で販売された2座のクーペにある。台数限定生産の2気筒のディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHV)である。

 ここで得られた技術を活かしてup!に詰め込んだのが、今回のプラグインハイブリッド「Twin up!」だ。4人乗りのこのup!は、ディーゼルエンジン、電気モーター、デュアルクラッチギアボックス(DSG)といった駆動システムの主要部品をXL1と共有している。

 VWによると、同社の最新モデルはすべて、従来型のエンジンのほか代替型駆動システムでも搭載できるように設計されている。故に、「Twin up!」に超小型プラグインハイブリッドシステムを搭載するのも、難しくはなかった。量産仕様の「VW up! 」との違いは、フロントオーバーハングが30mm延長されている点だけだという。

 「Twin up!」の駆動ユニット(システム総合パワーは55kW)は、車両のフロント部分に搭載されており、800ccのディーゼルTDIエンジン(35kW)、電気モーター(35kW)、7速DSG、パワーエレクトロニクスで構成。車両のリヤベンチシートとラゲッジルームの下にリチウムイオン電池(エネルギー容量6.6kWh)を搭載。車載電装システムのための12Vバッテリー、そして33リッターの燃料(軽油)タンクからなる「フューエルストレージ(燃料貯蔵)システム」が搭載されている。

 この小さな「up!」のPHV、かなり気になる存在である。(編集担当:吉田恒)

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