【木村隆のマーケット&銘柄観察】海外投資家が上昇をリード、裁定買い積み上がり一服も

2013年11月24日 21:33

<25~29日の相場展望>

  前週、11月第3週は、相場好転もまだ片肺飛行、短期急騰の反動で一時的な波乱もと書いたが、それを嘲笑うかのように相場は終始堅調に推移した。第3週末、22日には1万5570円と、5月高値1万5942円にあと一息の水準に達した。

  日経平均が1週間で1000円高した、11月第2週、海外投資家は1兆1720億円の大量買い越しを記録した。海外投資家は日経平均先物でも2156億円買い越し、ここへきての相場上昇は海外投資家の活発な動きが背景になっている。反対に、個人投資家は同じ週3896億円の売り越し。海外投資家の買い、個人投資家の売りの図式が鮮明で、銘柄の方向感を喪失している状況だ。

  裁定買い残は大きく積み上がり、5月高値時の水準に近づきつつある。ただ、足元の過熱感は否定できない。そして裁定買い残は積み上がった。円安による企業業績の上振れや経済対策への期待が支えとなり、大きくは崩れにくいが、さらなる一段高も難しそう。

  今回はNYダウの史上最高値更新、イエレン米連邦準備理事会(FRB)副議長の金融緩和継続発言など、好材料が重なり買い人気が一気に盛り上がった。しかし、相場は同じ材料では第2ラウンド入りは難しい。もちろん瞬間的な高値更新はあるにしても、金融相場のピークは5月高値。今後の新展開へは、業績相場への衣替えが必要と思われる。(日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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