2つの衣替え相場、『主力株から材料人気株へ』と『225銘柄からJPX日経400へ』の流れ=犬丸正寛の相場展望

2013年11月22日 16:21

  来週(25~29日)の後半は、12月受け渡しの『師走相場』入りである。銘柄の『衣替え』となりそうだ。

  日米とも相場は好調である。NYダウは10月9日のボトムから1ヶ月強で約9%上昇、日経平均は9営業日で約1550円、率で10.7%上昇と共に快調である。株保有の多いアメリカはクリスマス商戦を前に株を下げさせるわけにはいかないという背景はあるだろう。ただ、日米とも上昇ピッチの速いことには要警戒だろう。12月の日本は、『荒れる2日新甫』にも当っている。

  とくに、日本では12月に入れば物色銘柄に変化が出てきそうだ。引き続き来年もアベノミクス関連が本命であることに変わりはないものの、今年の締め括りという観点では9月の決算をもってひとまずアベノミクス相場は終了ということになりそうだ。

  当然、12月相場では物色される銘柄も変わってくるとみられる。(1)主力銘柄から年末特有の材料人気銘柄へ、(2)日経平均型から『JPX日経400』型へ、――という2つの大きな衣替えではないかと思われる。

  材料人気銘柄では、『風邪ウイルス関連』、『鍋もの』、『スキー関連』といった冬場関連銘柄の浮上が予想される。年内TPP決着含みから『農業関連』なども注目されそうだ。どちらかと言えば、値段の高い銘柄よりも値の低い中低位株が中心となりそうだ。

  もう一つは、日経平均からJPX日経400への衣替えだろう。世界初のROE(株主資本利益率)を基準とした指数ということで海外及び国内機関投資家の運用で採用400銘柄が買いの中心となることが予想される。個人投資家の関心も新指数に関心が移っていくものとみられる。今週、一握りの銘柄で日経平均が急騰したような動きは最後となる可能性があるのではないだろうか。

  既に、『JPX日経400』採用銘柄には外国人投資家からの引合いが活発と伝えられる。日本の年金積立金管理運用独立法人は121兆円の運用資産額のうちから株式比率を高めると報道され、新指数銘柄への投資が中心とみられている。

  師走相場では、新指数関連が底堅く推移する一方、個人投資家を中心に中低位の材料人気株が活躍する展開とみられる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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